ボイスボットとは?IVRとの違いや導入メリット6つを解説

 2022.05.13  コンタクトセンターの森 編集部

AIによる自動応答システムである「ボイスボット」は、「音声ガイダンスが長い」「シナリオ変更に手間がかかる」など、従来のIVRの課題を解決し、顧客満足度の向上とオペレーターの負担を軽減する新たな仕組みとして注目されています。

しかし、どのようにしてボイスボットを活用すれば、業務の効率化や顧客満足度の向上を実現できるのか悩んでいる担当者も多いでしょう。
本記事では、ボイスボットとはどういった音声チャネルなのかや、ボイスボットのメリット、従来のIVRの違いについて解説します。

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ボイスボットとは

対話型AIや音声認識、自然言語処理などの技術を活用し、利用者の音声を解析してIVR(Interactive Voice Response)システムを操作できる仕組みを「ボイスボット」と呼びます。

ボイスボットが顧客からの問い合わせに対応する際には、まず顧客の発話を音声認識技術によってテキストへ変換します。次にAIの自然言語処理技術がテキスト化されたデータの内容を解析し、問い合わせの回答をテキストで生成します。最後に、回答用のテキストを音声合成技術で自然な発話に聞こえるように読み上げる、というのがボイスボットの仕組みです。

ボイスボットの6つのメリット

what-is-voice-bot-03コールセンターにボイスボットを導入すると、業務の簡素化や、オペレーターのストレス軽減などが期待できます。ここからは、ボイスボットを導入するメリットを紹介します。

1.コールセンター業務の効率化

ボイスボットをコールセンターに導入すると、まず自動で問い合わせ内容のヒアリングを行います。この時、事前に設定されたヒアリングフローに基づいて顧客の発言内容を解析し、必要に応じて追加の質問を行うことが可能です。

また、「有人での対応が必要な電話だけをオペレーターにつなぐ」「よくある問い合わせに対してはAIや事前に設定したシナリオで自動回答する」などに設定しておけば、平均通話時間(ATT)の削減が大いに期待できますされます。その結果、業務の大幅な効率化が実現できるしょう。

2.人材の定着に貢献

コールセンターのオペレーターは、顧客からのクレーム対応などで精神的な負担が大きいことから離職率が高く、人員の確保が課題とされています。

その点、ボイスボットは音声認識で従来のIVRよりも着信の振り分け先を拡大できるので、オペレーターの業務量を大幅に削減してくれます。最初に覚えるべきオペレーションの範囲も少なくて済むなど、業務の難易度を下げることも可能です。

また、オペレーターにつなぐ必要のない簡単なお問い合わせに対してはAIが回答を行うことで顧客と直接接する時間が減少するため、オペレーターのストレスを軽減することができます。

このようにオペレーターの業務負担が軽減されることで、人材の定着率が向上し、結果として安定したコールセンターの運営につながることが期待できます。

3.シナリオ更新作業が簡単

ボイスボットの場合、ガイダンスのシナリオに使用する表現や選択肢の変更を簡単に行うことができます。そのため、キャンペーンに合わせて柔軟にシナリオを切り替えたり、サービス障害や緊急時の対応など特別なシナリオを新たに追加したりといったことも簡単に実施できます容易です。

4.顧客満足度の向上が期待できる

無人ヒアリングによってオペレーターにつながるまでの待ち時間を有効活用すれば、電話がつながらないことによる顧客の不満を軽減することができます。また、簡単なお問い合わせであればボイスボットが対応を完了させることができるため、顧客の課題解決までのスピードも上がります。

さらに、音声ガイダンスの確認や番号入力の操作にかかる手間と時間を省けるので、顧客はスマートフォンや受話器を握りしめて案内を最後まで聞かなければならないストレスから解放され、サービス品質や企業イメージの向上にもつながるでしょう。

5.機械学習により精度を高められる

従来のIVRがあらかじめ決められたシナリオに従うことしかできないのに対し、ボイスボットは顧客の話す言葉を理解することが可能です。言葉の理解度はAI(機械学習)の学習データをブラッシュアップさせ、再学習させていくことで精度を高めます。

具体的な手順としては、人間がボイスボットに着信した電話のデータから再学習させるべきフレーズのデータを人間がピックアップし、AIに再学習させる事で、ボイスボットが顧客のお問い合わせ内容をの意図を正しく意図を理解し、電話対応を行えるよう改善していくことが可能です。

6.機会損失の防止に役立つ

提供するサービスや商品によっては、平日の営業時間にしかオペーレーターによる対応を行うことができない場合があり、休日にしか電話をかけることができない顧客のお問い合わせを取り逃すことになります。

ボイスボットであれば、24時間顧客からの電話に対応することができるため、このような機会損失を防止することが可能となります。

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ボイスボットの3つのデメリット

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このようにボイスボットには様々なメリットがありますが、下記のような課題もあります。

1.お問い合わせ内容を正しく認識できないケースがある

ボイスボットは音声を認識し分析を行うため、質問内容が複雑な場合や、周囲が騒がしい状況での入電においては音声認識精度が落ちる場合があります。その結果、お問い合わせ内容を正確に認識することができず、適切なご案内につながらない可能性があります。

2.音声以外の情報を伝えることができない

ボイスボットは自動でテキストに変換された情報をもとに対応を行うため、図や写真を用いる必要があるお問い合わせなどは対応することができません。そのため、顧客に対してより詳細な資料を提示する必要があるお問い合わせや、定型的なやり取りが難しい場合には、オペレーターにつながる設定を行っておく必要があります。

3.常に精度の改善を図る必要がある

メリットの項目でも述べたように、ボイスボットには再学習が必要であり、その手間とコストがかかります。ボイスボットが回答を行ったお問い合わせについては、定期的に人の手でその内容を解析し、音声認識の精度や適切なご案内が行われているかどうかを確認する必要があります。

適切な回答が行われなかったケースについては専門のチームで確認と改善を行い、ボイスボットで対応できるお問い合わせの種類を増やしていくことで、より一層メリットを活かすことができるようになります。

従来のIVRとボイスボットの違い

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IVR(Interactive Voice Response )とは、顧客から入電があった際、あらかじめ用意された音声ガイダンスが自動で応答し、電話をかけた顧客が入電理由に応じて番号入力を行うことにより、適切なオペレーターや部署に電話を転送するシステムのことです。

「○○に関するお問い合わせは○番を押してください」などの音声案内がIVRに該当します。顧客の用件に応じて事前に電話を振り分けるので、オペレーターの対応時間の短縮につながるメリットがあります。

IVRのデメリット

その一方でIVRにはデメリットも多くあります。例えば、音声ガイダンスよりオペレーターにつながるまでの時間が長くなるため、急ぎの顧客に対してストレスを与える可能性があります。

また、顧客の用件に当てはまる適切な番号がない場合や、音声ガイダンスの説明を覚えきることができないと、最初からガイダンスを聞き直す手間が生じます。

こうしたIVRの不便さにストレスを感じる顧客も多く、顧客満足度と利便性の向上のためにお問い合わせ窓口を設置しているにもかかわらず、かえって顧客満足度を引き下げてしまう要因ともなっている状況です。

ボイスボットと従来のIVRとの違い

ボイスボットでは、従来のIVRのように音声ガイダンスに従って番号を入力する必要がありません。従って、顧客は長い音声ガイダンスを最後まで聞かなくて済みます。

また、従来のIVRの場合、オペレーターに転送するまでの分岐が多すぎると顧客が案内の途中で離脱してしまうリスクが高まるため、あまりシナリオを細分化できません。それに対し、ボイスボットは口頭で顧客の要件を聞き出すため、シナリオの階層が深くなっても顧客はストレスを感じにくく、離脱率が低いのが特徴です。

 

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まとめ

コンタクトセンターにボイスボットを導入すれば、顧客はIVRによる煩わしい番号入力が不要になりストレスの軽減につながります。一方のオペレーター側でも、業務負荷が軽減され、人材の定着率向上が期待できます。ボイスボットの導入は、コンタクトセンターの業務を効率化し、顧客満足度を高める上で有効な手段と言えるでしょう。

推薦者紹介

村田 健太郎
村田 健太郎
2002年入社後、オペレーション部門・オペレーション企画部門を約10年経験。
その後通信業界コールセンターのコンサルティング業務を担当しコールセンターへのAI導入やAIを活用した業務改善などのプロジェクトの参画。
AIや音声認識などの知見を元に現在はekubotの事業立ち上げと推進を担当。
コンタクトセンターアワード2013 最優秀部門賞受賞
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