ボイスボットとは? コンタクトセンターにおける有効性について

 2020.12.28  コンタクトセンターの森 編集部

「音声ガイダンスが長い」「シナリオ変更に手間がかかる」など、従来のIVRの課題を解決する手段として「ボイスボット」が注目されています。ボイスボットとは、AIを活用して顧客の発話内容を解析するシステムです。本記事では、ボイスボットの概要やボイスボットをコンタクトセンター に導入した際のメリットなどを解説します。

ボイスボットとは? コンタクトセンターにおける有効性について

ボイスボットとは

対話型AIや音声認識、自然言語処理などの技術を活用し、利用者の音声を解析してIVR(Interactive Voice Response)システムを操作できる仕組みを「ボイスボット」と呼びます。

ボイスボットが顧客からの問い合わせに対応する際には、まず顧客の発話を音声認識技術によってテキストへ変換します。次にAIの自然言語処理技術がテキスト化されたデータの内容を解析し、問い合わせの回答をテキストで生成します。最後に、回答用のテキストを音声合成技術で自然な発話に聞こえるように読み上げる、というのがボイスボットの仕組みです。

IVRとは

IVR(Interactive Voice Response )とは、顧客から入電があった際、あらかじめ用意された音声ガイダンスや入電理由に応じた番号入力により、適切なオペレーターに電話を転送するシステムのことです。「○○に関するお問い合わせは○番を押してください」などの音声案内がIVRに該当します。顧客の用件に応じて事前に電話を振り分けるので、オペレーターの対応時間の短縮につながるメリットがあります。

IVRの課題

その一方で「音声ガイダンスが長い」、「オペレーターにつながるまで長く待たされる」など、IVRには課題も多くあります。顧客は自分の用件に当てはまる番号がわからない場合、最初からガイダンスを聞き直さなければならなかったり、間違った番号を入力してしまったりと手間が生じます。

また、直接オペレーターにつないだ方が早いようなケースも、すべてガイダンスに従って番号を入力しなければなりません。こうしたIVRの不便さにストレスを感じる顧客も多く、顧客満足度と利便性の向上のためにお問い合わせ窓口を設置しているにもかかわらず、かえって顧客満足度を引き下げてしまう要因ともなっている状況です。

ボイスボットと従来のIVRとの違い

ボイスボットでは、従来のIVRのように音声ガイダンスに従って番号を入力する必要がありません。従って、顧客は長い音声ガイダンスを最後まで聞かなくて済みます。

また、通常のIVRの場合、オペレーターに転送するまでの分岐が多すぎると顧客が案内の途中で離脱してしまうリスクが高まるため、あまりシナリオを細分化できません。それに対し、ボイスボットは口頭で顧客の要件を聞き出すため、シナリオの階層が深くなっても顧客はストレスを感じにくく、離脱率が低いのが特徴です。

ボイスボット導入のメリット

コールセンターにボイスボットを導入すると、業務の簡素化や、オペレーターのストレス軽減などが期待できます。ここからは、ボイスボットを導入するメリットを紹介します。

コールセンター業務の効率化

ボイスボットをコールセンターに導入すると、問い合わせ内容のヒアリングなどの一次対応を自動化できます。事前に設定されたヒアリングフローに基づいて顧客の発言内容を解析し、必要に応じて追加の質問も行ってくれるほか、「有人での対応が必要な電話だけをオペレーターにつなぐ」「よくある問い合わせに対してはAIや事前に設定したシナリオで自動回答する」などに設定しておけば、平均通話時間(ATT)の削減が大いに期待されます。結果、業務の大幅な効率化が実現できるしょう。

ボイスボットがヒアリングした内容は、自動でテキストに変換されて管理画面に蓄積され、着信の直前にオペレーターに通知されます。仮に顧客の発話の不明瞭さや同音異義語によって一部の音声認識に失敗した場合でも、ヒアリングの内容を聞き直すことが可能なため、音声認識のみに頼ることなく質の高い自動応答サービスを運用できるでしょう。オペレーターは顧客のおおまなか用件を事前に把握できるため、その後の対応もスムーズです。

人材の定着に貢献

ボイスボットの導入は人材面にもさまざまな利点をもたらします。

コールセンターのオペレーターは、顧客からのクレーム対応などで精神的な負担が大きいことから離職率が高く、人員の確保が課題とされています。

その点、ボイスボットは音声認識で通常のIVRよりも着信の振り分け先を拡大できるので、オペレーターの業務量を大幅に削減してくれます。最初に覚えるべきオペレーションの範囲も少なくて済むなど、業務の難易度を下げることも可能です。

また、自動ヒアリングによってオペレーターにつながるまでの時間を有効活用したり、オペレーターにつなぐ必要のない問い合わせに対してはAIが回答したりすることで、顧客のストレスが緩和され、それに伴ってクレームの減少も期待できます。

長時間待たされることによる顧客のストレスが軽減されれば、結果的にオペレーターの心理的ストレスも軽減され、早期退職を防止と人材の定着率を向上が期待できます。

シナリオ更新作業が簡単

従来のIVRは、ガイダンスのシナリオ更新にかかる時間と費用のコストが高く、企業の代表電話や顧客対応窓口にはあまり導入されてきませんでした。

その一方、ボイスボットならシナリオの作成や変更をパソコンの管理画面で簡単に行えるため、代表電話にも導入が進んでいます。キャンペーンに合わせて柔軟にシナリオを切り替えたり、サービス障害や緊急時の対応など特別なシナリオを追加したりといったことも容易です。

顧客満足度の向上が期待できる

無人ヒアリングによってオペレーターにつながるまでの待ち時間を有効活用すれば、顧客の課題解決までのスピードも上がります。

また、音声ガイダンスの確認や番号入力の操作にかかる手間と時間を省けるので、顧客はスマートフォンや受話器を握りしめて案内を最後まで聞かなければならないストレスから解放されます。サービス品質や企業イメージの向上にもつながるでしょう。

AIの機械学習により自動的に対応の精度を高められる

従来のIVRがあらかじめ決められたシナリオに従うことしかできないのに対し、ボイスボットは顧客の話す言葉を理解するだけでなく、機械学習によって対応の精度を高めていくことが可能です。

具体的な手順としては、まずコールセンターに寄せられた声のログを記録し、ビッグデータとして保持します。このビッグデータを機械学習し、AIが回答できなかった問い合わせを自動的にカテゴライズすることで、ボイスボットによる電話対応のラインナップを拡大していけるのです。

まとめ

コンタクトセンターにボイスボットを導入すれば、顧客はIVRによる煩わしい番号入力が不要になります。一方のオペレーター側でも、自動ヒアリングによって会話による対応時間を短縮できるメリットがあります。ボイスボットの導入は、コンタクトセンターの業務を効率化し、顧客満足度を高める上で有効な手段と言えるでしょう。


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