明治安田がめざす「人に一番やさしい」
コミュニケーションセンターとは?

 

明治安田には現在、全国に約600万人のお客さまがいらっしゃいます。そのアフターフォローは、お客さまに寄り添う全国の営業職員(MYリンクコーディネーター)が行なっていますが、さまざまな理由で営業職員が対応できないときもあります。そこで、当社のコミュニケーションセンター(以下CC)は、営業職員によるアフターフォローを補完する役割を担っています。
また、営業職員経由ではなく、銀行の窓口経由でご契約されるお客さまもいらっしゃいます。そのお客さまには、CCがご相談・ご照会をダイレクトに受け付け、アフターフォローを行う役割を担っています。

これらの役割を担うCCは、コミュニケーター一人ひとりが「明治安田フィロソフィー」を体現することで、「『感動』の体験価値を創造し続ける『人に一番やさしい』CC」の実現を目指しています。

明治安田がめざす「人に一番やさしい」コミュニケーションセンターとは?

デジタルチャネルCX調査 2024ー2025年版

CCを取り巻く環境の変化に対応するために

現在、超高齢化が進行しており、当社のお客さまもご高齢の方が多くなってきています。また、コロナ禍やデジタル技術の急速な発展により、お客さまの価値観はいっそう多様化しています。
加えて、サステイナブルな社会づくりに対し、民間企業が貢献することへの社会的な期待・要請が高まっているほか、大災害等の有事の際にも事業を継続するための対策の必要性も高まってきています。

このようなCCを取り巻く環境の変化をふまえつつ、多様化するお客さまのニーズに対応するために、CCでは中期経営計画(2024~2026年度)において以下の3点を大きな取組方針として掲げるとともに、その進捗を確認するための指標を設定しています。

CCを取り巻く環境の変化に対応するために

「つながる安心」では、現在のみならず将来にわたって安定したCC運営ができるよう受電態勢を強化し、いつまでも人につながる安心をお届けすることをめざしています。

「深く、よりそう」では、お客さまのお困りごとを解決するだけではなく、お客さまに寄り添った丁寧な応対を行うことで、最初はどんなお気持ちだったとしても終話時には「心地よかった」と感じていただけることをめざしています。

「デジタルでも心地よさ」では、日進月歩で進化するデジタル技術を積極的に活用することでお客さまの自己解決ニーズに対応するとともに、CC運営の観点では、今後人財の確保がますます厳しくなることを見据え、比較的簡単なご用件についてはデジタルで対応し、コミュニケーターは「人にしかできないこと」に注力することをめざしています。

これら3本柱の取組みを通じ、「『感動』の体験価値を創造し続ける『人に一番やさしい』CC」を実現することをめざしています。

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具体的な取組み① 「つながる安心」

「つながる安心」の実現において、長期安定的なCC運営を目標としていますが、その実現においてはコミュニケーターの存在が不可欠であり、コミュニケーターのEX(従業員体験)の向上が前提にあると捉えています。有事の際の態勢を強化することはもちろんですが、コミュニケーターが安心して長く働ける環境を作ることで、はじめて「つながる安心」をお届けできると考えています。

1.職場満足度調査の実施

コミュニケーターのEX(従業員体験)を高め、定着率を向上させるために、CCでは独自の「職場満足度調査」を年1回実施しています。この調査では具体的な改善要望も募っており、上がってきた課題に対しては改善に取り組んでいます。そして、その取り組みの効果が出ているかを翌年の調査で検証・測定し、PDCAサイクルを回しています。

2.パートナー企業の知見・ノウハウの吸収

当社は、CC運営に関して当社以上の知見・ノウハウを有しているパートナー企業5社に入っていただき、CCを運営しています。そのパートナー企業から運営面の課題などをご提言いただき、意見・情報交換する「CC革新研究会」を年2回開催しています。この研究会の場でいただいた提言は必要に応じて運営計画にも盛り込み、よりよいCC運営に活かしています。

3.事業継続対策(BCP)の高度化

有事にも安定した態勢を維持することを目的として、BCPの高度化にも取り組んでいます。当社は東京と大阪にCCを構えておりますが、今年度から新たに、首都直下地震等により東京のCCが機能停止した場合に、CCへの入電の一部を全国の支社に転送する対応を開始しました。これは、全国に営業・サービス拠点網を有する当社の強みを活かした仕組みであり、市外局番や携帯発信基地局をもとに、お客さまの「地元」の支社に電話を転送することで、より多くのお客さまからのお申し出を受け付けることが可能となり、有事の際にも安定した態勢を構えることができます。

具体的な取組み② 「深く、よりそう」

社会に暮らす人々の多様性が拡がるなか、当社では、企業ビジョンに掲げる「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」の実現に向け、お客さまのお手続き不便を解消し、誰ひとり取り残されることなく安心して契約の締結・維持管理を行なっていただくための取組みを推進しています。その一環として、CCではさまざまなお客さまの特性に応じた窓口を設置し、お客さまに「深く、よりそう」ことをめざしています。

1.ご高齢者のお客さまへの対応態勢の強化

超高齢化が進む中、ご高齢のお客さまへ「人につながる安心」を提供するため、2016 年から「ご高齢のお客さま専用フリーダイヤル」を開設しています。この専用フリーダイヤルは音声自動応答システムを介さず、コミュニケーターに直接つながるようになっています。
そして、ご高齢のお客さまへ応対するコミュニケーターは、特別な研修を履修しています。分かりやすい言葉を使い、ハッキリゆっくり話すなどの基本対応はもちろん、聞こえが悪いお客さまには実際どのように聞こえているかを体験するなど、ご高齢のお客さまの立場に立った応対をトレーニングする内容となっています。
さらに、「聴こえに悩むお客さまに寄り添いたい」という職員の想いから開発した、当社独自の電話音声明瞭器「サウンドアーチ」もCC内で約100台設置し活用しています。コミュニケーターが大きな声を出さなくても、ご高齢のお客さまの聴こえを改善し、ストレスフリーな会話が可能となっています。

2.「LGBTQ のお客さま向けお問い合わせ窓口」の開設

2023年6 月にLGBT 理解増進法が施行され、性の多様性に対するいっそうの理解が求められている背景をうけ、当CCではLGBTQ のお客さまに安心してお問い合わせいただける窓口を2024 年10 月に開設しました。
当窓口では、LGBTQやSOGI(性的指向・性自認)にかかる社外研修を受講したコミュニケーターが応対しており、「同性パートナーを死亡保険金受取人に指定したい」「戸籍上の性別を変更したので性別の変更手続きをしたい」といったお申し出に適切に対応しています。
この取り組みを評価いただき、企業が行なっている先進事例として東京都のHPにインタビュー記事が掲載されています。

安心と信頼を提供、「LGBTQのお客さま向けお問い合わせ窓口」が生む新たな保険サービスのカタチ | 事例紹介 | 性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト (tokyo.lg.jp)

具体的な取組み③ 「デジタルでも心地よさ」

お客さまの多様化するニーズに対応するためには、日進月歩で進化するAI・デジタル技術の活用が不可欠です。今後、人材の確保はますます難しくなると思われます。そこで、AI・デジタルの活用を積極的に推し進め、「オペレーターは『人にしかできない応対』に集中できる環境づくり」に取り組みたいと考えています。

1.お客さまの利便性を高めるためのデジタル活用

CCではデジタル活用によるお客さまの自己解決手段の拡充を進め、さらなる利便性向上に取り組んでいます。
昨年度は、「チャットボット」で悩みごとが解決しなかった場合に、会話履歴を引き継いだまま専用のコミュニケーターとのチャットにシームレスにつながる仕組みの導入や、お客さまの発話を認識し、24時間365 日いつでもお問い合わせに対応できる当社オリジナルの「デジタルヒューマン」を開発・展開しました。

2.コミュニケーターの業務支援のためのデジタル活用

お客さまの利便性向上だけでなく、コミュニケーターの業務効率化の面でもAIを活用しています。CCでは、お客さまとの応対内容のメモを生成AI が自動作成する「AI 要約」を活用しています。AI要約の活用により、1件あたりの後処理時間が平均1分30秒短縮する効果を確認していますが、まだまだ改善の余地はあると考えており、最終的には「電話が終わった時点で応対メモが完成されている」状態をめざしています。これにより、コミュニケーターはお客さまへの応対に集中でき、「有人価値」をさらに高めていくことができます。

「人に一番やさしい」CCの実現にむけて

今後、人材の確保はますます難しくなると思われます。そうした中で、CCとしては、お客さまの利便性向上や業務効率化に向けたデジタル活用に積極的に取り組む一方で、「人」にしかできない応対、すなわち「有人価値」をさらに高めていくことを志向しています。
そのためには、「つながる安心」「深く、よりそう」「デジタルでも心地よさ」の3本柱を軸として、今後は「新人コミュニケーターの在籍率向上」と、「既存のコミュニケーターのさらなるスキルアップ」、そして「所属員のさらなるやりがい・働きがいの向上」を優先課題として、対策を講じていきたいと考えています。

これらの取組みを通じて、所属員がやりがいをもっていきいきと働くことができ、それを通じてお客さまに「期待」を超える「感動」の体験価値を創造し続ける、「人に一番やさしい」CCの実現をめざしていきたいと考えています。

執筆者紹介

川添 耕一 氏
川添 耕一 氏
明治安田生命保険相互会社 お客さまサービス相談部
コミュニケーションセンター コール業務開発グループ GM

2003年に同社入社。松本支社、横浜支社、山口支社で営業所のマネジメント業務を経験したのち、本社部門に異動。
直近では、JリーグやJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)との協働をはじめとした同社のブランド戦略や、 同社従業員の健康増進に向けた施策の企画・推進等を担当。
2024年から現職に転じ、コミュニケーションセンターのデジタル化、業務効率化等を通じたさらなる運営高度化をめざしている。
デジタルチャネルCX調査 2024ー2025年版

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