コンタクトセンターにおけるAI活用のすすめ

 2020.05.20  2024.04.24

デジタル経済の成長にともなって、コンタクトセンターの需要が急速に拡大しています。コンタクトセンターは、良質な顧客体験の実現のために必要不可欠なコミュニケーション部門となっているのです。本記事では、そうした中でコンタクトセンターが抱える課題とAI活用のメリットについて解説しています。

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コンタクトセンターを取り巻く外部環境の変化

コンタクトセンターが置かれている状況は大きく変化しており、そのなかでコンタクトセンター自体も変容を求められています。まず挙げられるのが、顧客接点のデジタル化です。

顧客は商品やサービスを購入する前にインターネット上で様々な情報を収集し、購入自体もオンラインで行うのが一般的となっています。商品・サービスの購入後は、SNSでその感想・不満などをユーザー間で共有しあうことも、日常的にみられる光景となりました。インターネットにいつでもどこからでもアクセスできるスマートフォンの普及によって、その傾向は加速度的に強まっています。

コンタクトセンターが顧客と接点を持つための窓口も従来の電話だけでなく、自社ウェブサイトやウェブチャット、Eメール・SNSなどに広がりました。これら窓口でシームレスなコミュニケーションを提供することが、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の向上につながるのです。

今やコンタクトセンターは、商品・サービスの使用に関し疑問を抱える顧客の問い合わせ対応を行うだけのものではありません。顧客とコミュニケーションをとるための重要な接点として、最適な顧客体験を提供すべき役割を全うすることが、企業の経営戦略上求められています。

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コンタクトセンターが抱える課題

期待される役割が増加し、その重要度が増しているコンタクトセンターは、様々な課題も抱えています。最適な顧客体験を提供するためにも、コンタクトセンターはこれらの課題を解決しなくてはなりません。

それでは、具体的にどのような課題があるのでしょうか。1つずつみていまきしょう。

複雑化した業務プロセスへの対応

問い合わせ窓口の種類が増えたことで、コンタクトセンターの業務プロセスは複雑化しています。たとえば顧客がメールで問い合わせをしつつ、電話での返答を求めるといったケースも往々にしてありえるでしょう。問い合わせ窓口ごとに必要なオペレーター数を確保していると、人件費やコンタクトセンターの設置スペースなど、様々なコストがかかってきます

また、チャネルごとの連携がとれておらず、顧客とのコミュニケーション内容を引き継げていないといった事例も出てくるでしょう。これらの問題を解決するためには、電話・チャット・メール・SNSといったチャネルを一元的に管理し、効率的・効果的に連携できる設計を構築しなければなりません

システム対応の遅れ

顧客とのコミュニケーション方法の急激な多様化に対して、コンタクトセンターのITシステムの対応が追い付いていない点にも目を向けなくてはなりません。たとえばチャネルごとに対応履歴の蓄積があっても、チャネルを横断したかたちでの顧客単位の対応記録がまとめられていない事例が多いです。結果、顧客体験の品質にも支障をきたす事態となっています。

加えて、全てのチャネルにおいてコンタクトセンターでの対応に必要な顧客の特定ができない点にも注意が必要です。たとえばTwitterのようなオープンなSNS上での問い合わせのように、顧客個人を特定しにくいチャネルも存在します。そんな中で、いかに顧客対応の記録を集約するか問われているのです。

スキルの需要に人材供給が追いつかない

電話・チャット・SNSなど、チャネルによってオペレーターに求められるスキルは異なります。たとえば電話での問い合わせは込み入った内容の質問が行われることが多く、オペレーターにはその質問に対応するための網羅的な業務知識・高度な応対能力が求められるでしょう。対してEメールやチャットなどでは、よりスピーディかつ効率的に対応するスキルが必要です。

しかしながら、それぞれのチャネルにおいて必要なスキルを備えたオペレーターを充足させることは容易ではありません。オペレーターのレベルや経験が十分でないまま、業務をシェアしている事例が多く見かけられます。

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AI活用により期待される効果

マルチチャネル化したコンタクトセンターでの顧客対応をスムーズにすすめつつ、その品質を向上させるために注目されているのがAIの活用です。AIを活用することによって、どのような効果が期待されるか、1つずつみていきましょう。

個人スキルに依存しない、顧客応対品質の向上が可能に

AIはオペレーターと顧客との対話の内容から、そのコールリーズン(問合せ理由)に該当するナレッジをピックアップし表示できます。これによってオペレーターが正しい回答をするためにナレッジを探し出す手間を減らせると共に、経験が少ない新人のオペレーターでもベテラン同様の対応ができるようになります

またAIによる対応のサポートによって、オペレーターの負荷を削減することも可能です。たとえば、これまでオペレーターは顧客と電話しながら、キーボード操作によって回答に必要なナレッジを社内サイト等から探し出すのが一般的でした。一方、AIによる音声認識をナレッジベースと連動させれば、、AIが会話のなかのキーワード等から適切なナレッジを表示してくれます

もっと見る:コンタクトセンターにおける音声認識/分析の活用について

センターの全体的な生産性向上に寄与

AIが適切なナレッジを探し出してくれることにより、オペレーターの対応もスムーズに進むようになり、結果的に対応時間の短縮化・センターの生産性向上も実現します。AIによってオペレーターに適切なナレッジが提案されるようになることから、顧客対応の際の後処理(事務処理)作業の簡略化も図れるようになり、サービスレベルを向上させられるというメリットもあります。

マルチチャネル対応と人件費削減

AIのチャットボットによる自動対応を導入すれば、多様なチャネルからの問い合わせを24時間365日でいつでも、さらにスピーディに対応することも可能です。FAQで答えられるような簡単な対応はチャットボットに任せて、そうでない複雑な問い合わせはオペレーターが行うといった仕組みを作れば、省人化も実現されます。顧客にとってはコンタクトセンターの利便性が高まるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

まとめ

コンタクトセンターは企業と顧客をつなぐ重要な接点として、重要な役割を担っています。しかし電話だけでなく、チャット・SNSまでコミュニケーション手段が多様化する中、コンタクトセンターが解決すべき課題も多いです。そこで期待されているのがAIの活用です。AIはコンタクトセンターの業務を効率化し、課題の解決に貢献します。

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