問い合わせ管理を効果的に行うCRMとは? メリットや導入のポイント

 2022.06.21  2024.04.23

適切な問い合わせ管理は顧客満足度を高め、良好な関係の維持にもつながります。アナログな手法でも問い合わせ管理は行えますが、あまり効率的とはいえません。効率的な管理を望むのであれば、問い合わせ管理システムやCRMの導入が有効です。本記事では、効率的な問い合わせ管理を実現できるCRMの概要やメリット、システム導入のポイントなどについて解説します。

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問い合わせ管理はCRM(顧客管理)機能のひとつ

CRMは「Customer Relationship Management」の略であり、日本語では「顧客関係管理」と訳されますが、ITツールの顧客管理システムを指すケースも少なくありません。CRMには、顧客との関係維持に役立つさまざまな機能が実装されており、その中に問い合わせ管理機能も含まれています。

CRMの問い合わせ管理機能では、外部から寄せられた過去の問い合わせ管理が可能です。いつ・誰から・どのような内容の問い合わせがあり、どう対応したのか、誰が担当したのかといった情報を部門内で管理・共有できます。

また、顧客の氏名や住所、連絡先といった属性情報の管理も行えます。属性のみならず、過去に自社の商品やサービスを購入した日時や、購入したもの、購入金額、購入頻度などの管理も可能です。

顧客を分析できる機能もあり、分析した内容をレポートとして出力できます。過去の行動履歴や属性などからターゲットを分析・抽出することで、効果的なアプローチが可能です。さらに近年では、記録したリード情報へステップメールを配信する機能など、マーケティングに役立つ機能を実装した製品も増えてきました。

CRMの導入により、顧客の属性や行動履歴を正確に把握できるほか、適切な問い合わせ管理も実現できます。コンタクトセンターのように、企業の窓口として直接顧客とやり取りを行う部門の業務効率化に有効なシステムです。

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従来の問い合わせ管理にはリスクが伴う

問い合わせ管理にエクセルを用いる企業は少なくありません。オフィスツールの定番ともいえるエクセルは扱える人が多く、手軽に問い合わせ管理も行えます。そのため、現在でもエクセルを利用する企業は多いのですが、さまざまな課題やリスクがあるため注意が必要です。

リスクのひとつとして、データの破損が考えられます。アプリケーションのクラッシュやマルウェアへの感染、停電によるシステムのシャットダウンなど、さまざまな要因でデータ破損は起こり得ます。その結果、蓄積していたデータが開けなくなるおそれがあるのです。

加えて、セキュリティリスクの懸念もあります。エクセルのデータは外部への持ち出しが容易であるため、問い合わせ情報の漏えいにつながりかねません。問い合わせ情報が流出したとなれば、企業としての社会的信用は失墜し、今後の事業に悪影響を及ぼすおそれもあります。

また、エクセルに蓄積された情報から、必要なデータを取り出すには時間がかかります。必要なときに求めるデータをすぐ取り出せないとなると、顧客への適切な対応もできないでしょう。さらに、問い合わせ情報をリアルタイムに共有できないため、対応漏れや二重対応などのリスクも高まります。そのほか、担当者が変わるときは、引き継ぎの作業もしなくてはなりません。

CRMによる問い合わせ管理のメリット

CRMで問い合わせ管理を行うメリットとして、問い合わせ管理の一元化が挙げられます。さまざまなチャネルから寄せられる質問や相談を一元的に管理でき、スピーディーかつ適切な対応が可能です。顧客を待たせることもなく、迅速かつ適切な対応を行えるため、顧客満足度の向上につながります。

また、リアルタイムな情報共有が可能であるため、二重対応や対応漏れも回避できます。問い合わせ内容や対応状況がシステム上にすぐ反映され共有できるため、上述したようなリスクの発生を防げるのです。

安全に運用できるのもメリットです。多くのCRMは、アカウント認証やデータの暗号化、アクセス制限などセキュリティ面を強化しています。不正アクセスによるデータの詐取はもちろん、内部からの情報漏えいも防げるため、安全に運用できます。

さらに、業務効率化を実現できるのもメリットのひとつです。CRMであれば、求める情報へすぐにアクセスでき、業務の手間や時間を削減できます。効率的に業務を遂行でき、個々の顧客へより丁寧な対応が可能となるでしょう。

CRMは、コンタクトセンターのような顧客対応業務に携わる部門への導入がおすすめです。問い合わせ情報をすぐに確認でき、個々に合わせた適切な対応を行えるためです。コンタクトセンターの業務効率化や、業務品質向上を望む企業にとって、有効なツールとなるでしょう。

問い合わせ管理システムのデメリット

問い合わせ管理システム導入で生じるデメリットとして、コストの発生が挙げられます。製品によっては多額の初期導入費用が発生するケースがあるほか、運用するうえでランニングコストもかかります。現在はさまざまなシステムがリリースされているため、機能やセキュリティ面と併せ、費用面も精査したうえで導入を検討するとよいでしょう。

また企業によっては、望む成果をすぐには得られない可能性もあります。新たなシステムを導入した場合、運用に慣れるまで時間がかかるためです。これまでエクセルを用いて問い合わせ管理をしていたのなら、従業員が新システムの扱いに慣れる必要があり、効果を実感できるまである程度の時間を要するでしょう。

問い合わせ管理システム導入のポイント

問い合わせ管理は顧客満足度を高める手段であり、目的ではありません。システムの導入にあたっては、その本質を正しく理解しておくことが大切です。顧客満足度向上を実現するには、さまざまなチャネルに対応できるか、コンタクトセンターとの連携が可能かどうかを確認して導入を進めましょう。

様々なチャネルへの対応

電話が主な問い合わせ手法だった時代は終わりを告げました。現在では電話やメールに加え、LINEやチャット、ホームページの問い合わせフォームなど、さまざまなチャネルから質問・相談が寄せられます。

各チャネルから寄せられる問い合わせへ、個別に対応するのは手間も時間もかかり非効率です。複数のチャネルを適切に管理するのは困難であり、対応漏れや二重対応などのリスクも高まるでしょう。

そのため、システムの導入にあたっては、さまざまなチャネルに対応できるかどうかをチェックすべきです。ひとつのプラットフォームで、各チャネルから寄せられる問い合わせの管理・対応ができるシステムであれば、上記のようなリスクを回避でき、業務の効率化も実現できます。

コンタクトセンターシステムとの連携

コンタクトセンターシステムとの連携が可能なCRMは、顧客満足度の向上に有効です。近年では、音声認識FAQなどの機能を備えたコンタクトセンターシステムも登場しており、CRMとの連携により効率よく顧客満足度や業務効率の向上を図れます。

従来のCRMだけでも効果的な問い合わせ管理は可能ですが、コンタクトセンターシステムとの連携で、さらに効果的な運用が可能です。現在ではコンタクトセンター向けのCRM製品もリリースされているため、そのようなツールの導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

また、問い合わせ対応業務の効率化には、FAQやチャットボットの導入も有効です。顧客が自ら知りたい情報を取得できる仕組みを構築すれば、問い合わせ件数を減らせるため、業務時間の短縮や担当者の負担軽減にもつながります。

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まとめ

CRMの導入により問い合わせ窓口を一本化でき、対応業務の効率化や適切な対応を実現できます。コストがかかる、効果を実感するまで時間がかかるなどのデメリットはあるものの、それを上回るメリットがあるのも事実です。

システム選定時には、さまざまなチャネルに対応できるか、コンタクトセンターシステムとの連携が可能かどうかをチェックしましょう。また、問い合わせ業務全体の効率化には、FAQやチャットボットの導入もおすすめです。

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