コールセンターはきつい? 特徴と労働環境改善のヒントを解説

 2022.07.26  2024.04.24

コールセンターを運用する課題として、高い離職率に頭を抱える方も多いのではないでしょうか。離職が重なれば、教育コストもかさみ、企業経営に悪影響を及ぼすことは避けがたくなります。

改善するにはその原因を的確に把握することが重要です。本記事では、コールセンターの仕事がきついと言われる理由や改善につながるヒントを解説します。

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コールセンターがきついと言われる理由と特徴

コールセンターの仕事がきついと言われる理由としては、業務で発生する過度なストレスや臨機応変な対応力の必要性、マニュアルの不備、業務の属人化などが挙げられます。

ストレスが溜まる

組織における窓口たるコールセンターには、日々さまざまな問い合わせや相談が寄せられます。中には、オペレーターに厳しい言葉を投げかけるクレーマーの存在もあり、過度なストレスを感じるケースも少なくありません。

顧客に伝えたいことをきちんと伝えられない、とストレスを抱えるオペレーターも少なくありません。オペレーター業務は基本的に音声やテキストのみの非対面対応であるため、丁寧に説明しているつもりでもなかなか伝わらない、言葉だけでうまく伝えられないと悩むケースが見受けられます。

さらに、コールセンターのオペレーターは企業の顔でもあるため、丁寧な言葉遣いや態度が求められます。組織の評判を落とさないようしっかりしなければならない、と自身を追い込んでしまい、それがストレスの原因になることは十分考えられるでしょう。

臨機応変さが必要

コールセンターのオペレーターは覚える仕事が多く、ときに臨機応変な対応力も求められます。きちんと仕事を覚え、マニュアル通りの対応をしていても、かえって顧客の怒りを買ってしまうケースは珍しくありません。

基本的に、オペレーターはマニュアルに記載された通りに対応する必要があります。しかし、クレーマーの中には、「なぜもっと融通をきかせられないんだ」と理不尽な怒りをぶつける人もいるのです。 また、臨機応変に対応したくても、そもそも人との会話が苦手で難しい、といった人もいます。コールセンターのオペレーターは、日ごろから人との会話に慣れており、コミュニケーションが得意な方に向いている仕事ではあります。

マニュアルが整っていないフローが多々ある

正式なマニュアルが整備されていない、部分的な業務フローの説明が抜けている、といったケースもあります。このようなケースでは、業務が非効率になるのはもちろん、顧客に適切な対応ができずクレームに発展し、オペレーターがストレスを抱える悪循環に陥る可能性があります。

また、自社商品やサービスに関する知識を覚えるのに苦労しているオペレーターも少なくありません。マニュアルとは別にこれらの知識も覚えなければならないとなれば、負担が増加し「仕事を辞めたい」と考えるにいたっても不思議ではないでしょう。

業務が属人化している

業務が属人化しているコールセンターは、仕事が非効率になりがちです。特定のオペレーターしか対応できない業務があると、その担当者が体調不良などでいなくなると対応できなくなってしまいます。

社内で情報共有できる環境が構築できていないと、業務が属人化しやすい傾向があります。

システムが煩雑
また、データや情報が分断されている場合も、オペレーターは1件の顧客対応に複数のシステムや資料を行き来しなければならなくなってしまい、非常にストレスを感じやすくなります。
出来る限りシンプルなシステムや業務フローを提供し、
ベテランオペレーターのナレッジやノウハウを共有できる環境を整えれば、業務の属人化は回避できるでしょう。

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離職率を下げるための労働環境改善対策とは

オペレーターの離職率が高いと、次から次へと新たな人材を確保しなければならず、採用コストがかさみます。人材を定着させ優秀なオペレーターの流出を防ぐために、企業には適切な労働環境改善の対策が求められます。

面談や報酬面でケアする

クレーマーから心無い言葉を投げかけられ、オペレーターがメンタル面に支障をきたすケースは少なくありません。放置すると離職につながるため、直属の上司やSVは定期的に面談を実施し、メンタル面のケアをしてあげるとよいでしょう。

報酬面の見直しも離職率の引き下げに有効です。たとえば、繁忙期など心身ともに負担が増加する時期は報酬をアップする方法が考えられます。また、課題や改善点を部門全体で共有すれば、よりオペレーターが働きやすい環境を構築できるでしょう。

ノルマを見直す

「1日に20件のアポイントを獲得する」など、オペレーターにノルマを設けているケースはよく見受けられます。ノルマが厳しすぎるとストレスになり、精神的なプレッシャーから退職を考える人が出てくる可能性もあります。

離職率を引き下げるため、ノルマを見直してみましょう。現在設定しているノルマは、本当に実現可能な数値でしょうか。現実味のないノルマは達成が難しく、オペレーターのモチベーションを無駄に下げてしまいます。

カスタマーサポートツールの導入で改善するケースも

アナログ体質なコールセンターは業務が非効率になり、オペレーターへの過度な負担につながりがちです。オペレーターが実務に精神的なストレスや肉体的な負担を感じている場合、カスタマーサポートツールの導入で解決できる可能性があります。

カスタマーサポートツールとは、オペレーターの顧客対応を効率化・簡潔化できるツール、システムです。顧客情報の一元管理や問い合わせ情報の管理、FAQチャットボットによる自動回答などが主な機能です。

業務効率化とオペレーターの負担軽減につながる

カスタマーサポートツールの導入により、業務効率化を実現できます。たとえば、オペレーター向けのFAQを利用すれば、顧客からよく寄せられる質問と模範的な回答をモニターに表示でき、顧客が求める回答をスピーディーに伝えられます。

また、問い合わせ履歴も管理できるため、個々の顧客に適切な対応を行えるのもメリットです。過去の問い合わせ内容を把握した上で対応できれば、同じ説明を何度もしたり、情報の伝え漏れが起きたりといったことも回避できるでしょう。

ツールによっては、複数のチャネルから寄せられた問い合わせを一元管理できるものもあります。電話やメール、SNS、ホームページなど、複数チャネルに対し個別に対応をするとなれば時間も手間もかかります。これらを一元的に管理できれば、オペレーターの手間を大幅に軽減でき、なおかつ迅速な対応が可能です。

このように、ツールの導入により業務を効率化できれば、オペレーターの負担を軽減できます。心身のストレスから解放され、仕事に対するモチベーションも高まると考えられるため離職防止に有効です。

応答品質も向上できる

カスタマーサポートツールの導入により、顧客への応答品質向上を実現できます。ツールを用いてベテランオペレーターのナレッジ、ノウハウを共有できれば業務の属人化を回避でき、新人オペレーターも即戦力として活躍できます。結果的に育成コストの削減にもつながるでしょう。

業務を効率化しナレッジやノウハウを共有できれば、業務の標準化が進みオペレーターの応答品質が均一化します。人によって対応品質が異なる、といったことがなくなり、全オペレーターが適切な対応を行えるようになるためブランドイメージの向上にもつながるでしょう。

個々の顧客に適切な対応を行えるようになれば、リピーター化にもつながります。「顧客のことをきちんと考えてくれる企業」と認識してもらえ、顧客の流出を防げるのはメリットです。

まとめ

コールセンターの仕事がきついと言われる理由は、業務で発生するクレーム対応や求められる臨機応変なスキル、マニュアルの不備などです。このような状況の放置はオペレーターの離職を招くため、適切なケアやノルマの見直しなど、企業は適切な対策を進めなくてはなりません。

本記事でお伝えした通り、カスタマーサポートツールの導入もオペレーターの離職率引き下げに有効です。離職防止だけでなく、業務効率化や生産性向上などの効果も期待できるため、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の推奨者

野瀬 裕
野瀬 裕
2002年に当社入社。国内外の流通・製造・金融大手企業などの幅広い業界で営業責任者、2017年よりオペレーション組織責任者としてBPO事業運営を担う傍ら、新規事業開発としてスタートアップへの出資や資本業務提携に従事。ソニーコンピュータサイエンス研究所との共同事業であるイノベーション&コミュニケーション サイエンス研究所を経て、現在はソリューションセールス部門及びソリューション企画推進部門の責任者。
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