コンタクトセンターにおけるオペレーター適正配置の考え方

 2020.08.31  コンタクトセンターの森

コンタクトセンターの業務を効率化するには、適切な人員配置が必要不可欠です。しかしコンタクトセンターでは時期や時間帯によって入電数が変化するため、いつどれくらいの人員を確保すべきか見極めるのが難しいとされています。 この記事では、コンタクトセンターにおけるオペレーター配置について、課題や具体的な解決法をご紹介します。

コンタクトセンターにおけるオペレーター適正配置の考え方

コンタクトセンターが抱えがちな人員配置上の課題

コンタクトセンターの人員配置には、どのような課題があるのでしょうか。まずは、コンタクトセンターの人員配置において想定される課題について見ていきましょう。

季節変動による人員数対応

コンタクトセンターへの入電数は時期や状況によって変化するため、それに合わせてオペレーターの数を調整しなければなりません。

もちろん、最大入電数を基準にして、人員を多めに確保できるのであれば、人員不足で顧客を待たせる心配はないでしょう。しかし、常にたくさんの人員を確保するには高いコストがかかるため、現実的ではありません。

また、人員の数が多すぎると、時期によっては待機時間が長くなり、無駄なコストを支払うことになります。

反対に、配置する人数を最小入電数に合わせれば、入電数が多い時期にはパンクしてしまいます。応答率が下がると、1回のコールでつながらなかった顧客からの再コールも入ってくるでしょう。

そうなるとAHTが長くなってしまうので、顧客満足度を下げる原因になります。AHTとは、平均処理時間を意味する「Average Handling Time」のことです。AHTが短いほど、コールセンターの業務が効率的であることを示します。

なお、細かく見ていけば、月や曜日によっても入電数は異なっています。また、1日の中でも時間帯によっては、入電数が大きく異なっているでしょう。入電数の小刻みな変動に合わせてオペレーターを配置するのは、決して簡単なことではありません。

正確なリソースの管理

コンタクトセンターでは、必要なリソースを適切に管理できていないケースも頻発に発生します。不正確なリソース予測が原因で、入電数に対する人員配置がうまくいかないことも少なくありません。

各拠点が独自に入電数の集計を行っていたり、担当者のさじ加減で調整が加えられたりしていることが失敗例として考えられます。あいまいな基準による予測では、正確なリソース管理ができないのは当然でしょう。

各拠点の連携が不十分な状況では、リソース不足をカバーし合うこともできません。限られた人員で多くの入電に対応するためには、リソースを正確に管理しつつ、拠点同士で連携し合える体制を作る必要があります。

WFM導入による人員配置最適化

人員配置の課題を改善するには、WFM(ワークフォース・マネジメント)を導入すると効果的です。 ここではWFMの概要とともに、WFM導入によって実現できる人員配置の最適化についてご説明します。

WFM(ワークフォース・マネジメント)とは

「WFM(ワークフォース・マネジメント)」とは、人員配置を調整しつつサービスの質を維持・向上させるための手法です。

具体的には、質の高いサービスの提供と人件費削減の両立が実現可能です。コンタクトセンターにWFMを導入すると、AHTも短縮できます。オペレーター1人あたりの処理件数も増やせるので、業務効率化や無駄な人件費の削減につながります。

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WFMが国内で取り入れられるようになったのは、2000年代の初頭です。専用のソフトウェアが登場し、広く知られるようになりました。最近では、クラウド型のシステムとして提供されているWFMのサービスもあります。クラウド型のシステムなら初期投資や運用にかかる費用が少ないため、導入のハードルは低めです。

WFMの利用方法

クラウド型のシステムであれば、導入後は簡単な設定だけで利用できます。たとえば、オペレーターの情報や入電数の実績などを入力します。より多くの情報を入力できれば、より精度の高い予測もできるようになるでしょう。また、各拠点の状況を一括で管理し、カバーし合える体制を作ることも可能です。

WFM導入によって実現されること

WFMの導入後は、従来のコンタクトセンターが抱える課題を大幅に改善できます。ここでは、具体的に何を実現できるのか見ていきましょう。

入電数予測から必要人員予測

WFMでは、過去の記録を利用して、今後の入電数の予測を立てられます。季節や月ごとの入電数はもちろん、曜日や時間といったより短い期間の入電数についても予測可能です。単に入電数を予測するだけでなく、最適なオペレーターの人数まで算出できます。

適切な人員配置ができれば、顧客と企業の双方にとってさまざまなメリットが生じます。たとえば、電話がなかなかつながらないという事態を解消できるので、顧客は応答を待ったり電話をかけ直したりしなくて済むでしょう。

また、過不足なく人員を配置できるので、企業は無駄なコストをかける必要もなくなります。データ量が増えれば増えるほど予測の精度が上がるため、WFMを利用しながら記録を蓄積していけば、人員配置をより適正なものに改善していくことも可能です。

シフト作成も簡単に

WFMでは、シフト作成もできるようになっています。企業によっては、担当者が独自にシフトを作成しているケースもあるでしょう。その場合、毎月のシフトを作成するだけでも大きな手間がかかっているはずです。

しかしWFMなら、入電数の予測と各オペレーターの勤務可能日を自動的に照合し、適切なシフトを作成できます。計算や調整はすべてシステムが行うので、シフト作成を簡単に済ませられます。時給も考慮しながらシフトを組めるため、人件費の調整が必要な場合でも問題なく利用できるでしょう。

各オペレーターのスキル可視化

入電数や勤務可能日以外にも、WFMにはオペレーターのスキルについて登録できます。そのため、WFMを使ってシフトを組めば、そのときに必要なスキルを持つ人員を確実に配置できます。たとえば、新人とベテランのバランスを調整することも可能です。

また、自社のオペレーターのスキルが可視化されるということは、自社にどのようなスキルが不足しているのかを明確化できるともいえます。その情報は、新たな人材を確保する際にも参考になるでしょう。

WFM導入のための心構え

WFMを導入する場合、CRMを意識した運用を行う必要があるでしょう。というのも、応答率やAHTを改善できたとしても、根本的な課題の解決には至らないケースもあるからです。

基本的には、WFMを導入すると応答率やAHTが向上し、CRM的にもよい効果が得られると考えられています。しかし、個々のオペレーターの対応が悪かったり、そもそもサービスの質が悪かったりすれば、顧客満足度は決して上がらないでしょう。

大切なのは、ただWFMを導入するだけにとどまらず、より効果的なCRMへつなげることです。たしかにCRMにおいては、システムを使って効率的に顧客を管理することも重要だと考えられています。とはいえ、やはり最も大切なのは、それぞれの顧客の満足度を着実に高めることです。CRMの目的をしっかり考慮したうえで、WFMを導入しましょう。

WFMによるメリット

WFMの導入には、さまざまなメリットがあります。WFMを導入するとどのようなメリットが得られるのか、具体的に見ていきましょう。

クレームを大幅に抑えられる

WFMを導入すれば、顧客からのクレームを大幅に抑えることが可能です。WFMによって、顧客の不満の原因となる要素を排除できるからです。

オペレーター適正配置が実現すると、新規の入電に対して即座に応答可能な体制を構築できます。そうなれば、顧客がストレスを感じる機会も少なくなるでしょう。

また、顧客を待たせている状況では、オペレーターもプレッシャーを感じています。そのような心理的負担は、離職の原因の1つにもなっています。しかし人員配置を適正化できれば、オペレーターは焦らず落ち着いて顧客対応ができるようになるでしょう。離職につながる心理的負担を軽減し、余裕をもって業務に取り組めるようになります。

顧客対応の質を改善できれば、その分の入電数も少なくなる可能性があります。その場合、一つひとつの入電により丁寧できめ細かい対応がしやすくなるでしょう。そうなれば、さらなるクレームの減少につながっていきます。

オペレーターの教育機会の増加

WFMで人員配置を最適な状態にできれば、オペレーター業務のスケジュールも立てやすくなります。

入電数が少ない時間帯も把握できるようになるので、オペレーターの教育に割く時間も確保しやすいです。常に顧客が待っているような状況では、なかなか教育機会を確保することはできないでしょう。しかし教育機会を増やすことは、顧客満足度をより高めるために必要不可欠な要素です。

教育機会をきちんと設けられるようになれば、CRMの目的も達成しやすくなります。WFMを導入するのであれば、空いている時間を有効活用するところまで検討できると、サービス向上のための好循環を生み出せます。

単にサービスを利用するだけでWFMの効果を最大限に発揮できるわけではないので、教育機会も念頭に置きながら導入を検討するとよいでしょう。

WFMもクラウド化の流れ

WFMが広まった2000年代の最初のうちは、ソフトウェアやASPとしてサービスが提供されていました。しかし現在では、WFMもクラウド型のシステムが主流となっています。クラウド型のシステムなら、インターネット環境さえあればいつでもどこでも利用できます。

しかも、初期投資や運用にかかる費用も安く抑えられるため、簡単に導入できる点も魅力的です。

反面、クラウド型のシステムには、自社の状況に合わせたカスタマイズがしにくいというデメリットも存在します。

とはいえ、WFMは基本的な機能だけでも十分便利に活用できるでしょう。近年ではクラウド型のシステムでもカスタマイズ可能なタイプも出てきています。コストや求める機能を比較しつつ、必要に応じて選ぶとよいでしょう。

まとめ

オペレーター適正配置を実現するには、WFMの導入が効果的です。ただし、単にシステムを導入して終わるのではなく、CRMなどの活用についても意識する必要があります。

今回ご紹介した内容を踏まえ、自社に適したシステムを選び、目的を考慮しながら運用していきましょう。

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