CRM分析とは? 代表的な手法や効果的に分析を行うポイント

 2021.05.06  2022.11.28

顧客へ適切なアプローチを行ったり、人気の商品を生み出したりするには、既存顧客を分析することが重要です。そこで本記事では、既存顧客を分析するのに効果的な「CRM分析」について解説します。CRM分析の概要や代表的な手法、CRM分析を効果的に行うポイントを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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CRM分析とは何か

CRM(Customer Relationship Management)分析とは、顧客との良好な関係を実現・維持するための分析です。一般的な顧客分析は市場を分析するのに対して、CRM分析は個別顧客や自社顧客、既存顧客を対象に分析を行います。
CRM分析では、顧客の年齢や性別、居住地などの属性のほか、購入履歴や購入頻度を用いて分析します。具体的には、「どの年齢層が自社サービスを利用しているのか」「商品を購入する頻度はどのくらいか」などです。
これらの分析結果より、自社顧客に合わせたマーケティング戦略が立てられます。また、優良顧客やリピーターになりそうな顧客を見つけ出し、ターゲットを絞った効率的なセールスを行うことも可能です。

【CRMとは何か、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。】
CRMとは? 意味や役割、導入メリット、選び方をわかりやすく解説

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CRM分析の代表的な手法

CRM分析にはさまざまな手法が用いられます。ここでは、代表的な7つの分析手法について、それぞれの意味や特徴を紹介します。

RFM分析

RFM分析は、「Recency(直近購入日)」、「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(購入金額)」の頭文字をとった言葉です。その名の通り、これら3つの指標から顧客を分析します。

RFM分析では、顧客ごとに「R」「F」「M」の3つの指標を用いてランク付けを行います。その結果、「R」「F」のランクが高い顧客は、直近に商品を購入しており、なおかつ購入頻度が高い顧客、すなわちリピーターであるとわかるのです。
ほかにも、「M」のランクが高く「F」のランクが低ければ、購入額は大きいものの購入頻度は少ない顧客、すなわち、優良顧客になりうる顧客と判断できます。なお、RFM分析において特に重要とされるのは、直近購入日である「R」の指標です。なぜなら、いくらほかの2要素が優れていても、直近に購入がなければすでに他社に奪われている可能性があるためです。

こうして顧客を分類していくことで、自社にとって重要な顧客の見極めができます。優良顧客や見込み顧客へ積極的なアクションが行えるようになるほか、元優良顧客へ掘り起こしDMを送信する際にも有効です。

ただし、優良顧客でないと判断した層を切り捨てることになるため、長期的に顧客との関係を築くような施策には適しません。また、RFM分析では顧客それぞれに細やかなランク付けがなされます。顧客に合わせた広告表示・メール配信を自動化しているEC事業者でもなければ、ランクに沿ったマーケティングを完璧に行うのは実際のところ困難でしょう。

CPM分析

CPM(Customer Portfolio Management)分析は、RFM分析より細かい指標によって、顧客を10グループに分類する分析手法です。10個のグループに対してそれぞれ異なるアクションをかけることで、現実的な範囲でパーソナライズされたマーケティング戦略が実施できます。

CPM分析に用いられる指標は、主に「購入回数」「購入総額」「購入単価」「初回購入から最終購入までの期間」「最終購入から現在までの期間」などです。

RFM分析とほとんど同じに感じられますが、注力している点がやや異なります。RFM分析は、優良顧客へのアプローチに重きを置いた手法です。対してCPM分析は、離脱した顧客の引き戻しや顧客満足度の向上に重きを置いています。そのためCPM分析は顧客と良好な関係を構築し、長期的な売上拡大を目指すことに適した分析手法なのです。

デシル分析

デシルとは、「10分の1」「10等分」といった意味です。転じてデシル分析とは、顧客を購入金額に応じて10グループに分類する分析手法を指します。これにより、購入比率の高い顧客を見つけ出し、効率的なセールスを行うことが可能です。

例えば、自社顧客が100人だとします。この100人を購入上位から順に、10人ずつ10個のグループに分けます。各グループの購入総額、および顧客全体の購入総額からグループごとの金額比率を割り出せば、分析はほぼ完了です。算出した比率からは、上位2グループが自社売上全体の70%を占めている、などの情報が得られます。

分析そのものは顧客情報を購入金額順に並び替えるだけなので、非常に簡単です。しかし、得られた結果をどのように活用するのかは、時間をかけて検討しなければなりません。売上が高いグループに優先的に投資するのか、低いグループに積極的にセールスをかけるのか、あるいは総数を最大化するために新規顧客の獲得を狙うのか、などです。
分析結果と実行すべきアクションが明確に結びついていないのは、デシル分析の難しい部分と言えるでしょう。また、デシル分析には直近購入日、購入期間などの時間軸が指標に含まれません。精度を上げるためにも、ほかの分析と組み合わせたり、あらかじめ分析対象を「最終購入から○ヶ月以内」と絞ったりすることが求められます。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、共通のニーズや属性、購入履歴によって顧客を分類(セグメント)し、それぞれについて重点的に分析する手法です。セグメントごとの共通点を見つけられれば、積極的にマーケティングを実施すべき顧客層や特徴が把握できます。

セグメントについては、例えば年齢別で分類したり、居住地域別で分類したりします。さらに、同じ年齢・居住地域でも性別や家族構成、勤務形態などの属性も加えることで、より精度の高い分析が可能です。
しかし、むやみに属性を増やしても、データ収集に時間がかかるだけで有意な結果が得られるとは限りません。正しい属性を考える際に重要なのは、「もっとも購入に結び付く属性は何か」という視点を持つことです。

CTB分析

CTB分析は「Category(分類)」「Taste(デザイン・サイズ)」「Brand(ブランド)」の3指標を用いて顧客をグループ化する分析手法です。

商品の分類についても、さらに大きく3つに分けられます。「メンズ/レディース・生活用品・食品」といった大分類、「スポーツウェア・フォーマルウェア・バス用品・お菓子」といった中分類、さらに細分化された小分類という具合です。
デザイン・サイズとは、そのまま商品の色や模様、形状を指します。ブランドとは、企業や商品の名称、またキャラクターなどです。

これらの3要素より人気の商品、売上の大きい商品の分析を行います。成功すれば、POSなどの顧客情報からは読みとりづらい、「どんな顧客がどんな商品を好むのか」といった傾向が推測可能です。商品開発やプロモーションを行ううえで、大きなヒントとなるでしょう。

LTV分析

LTV(Life Time Value)は、「顧客生涯価値」に着目した分析手法です。顧客生涯価値とは、顧客が生涯で自社商品に費やす総額のことです。顧客生涯価値は、平均購入単価・購入頻度・購買期間などから算出します。そのため、一度の購入金額が少なくとも、長期的に利用していたり、購入頻度が高かったりする顧客はLTVが高くなります。

LTVの高い顧客とは、自社にとって重要度が高い顧客です。LTVが高い顧客を重点的に分析することで、顧客に寄り添ったプロモーションが行えます。また、LTVが高い顧客の流入経路を分析することで、優先的に投資すべき広告媒体の選定にも役立ちます。

クラスター分析

クラスターとは、ブドウなどの「房」のことです。転じて、集団や群れ、塊などを意味し、とりわけCRM分析においては「集団」を指します。クラスター分析は、それぞれの属性や性質が異なる大集団から、似た傾向があるものを集めて新たに集団を作成する分析手法です。他の手法のように、先に基準を決めた上でグループ分けをするのではなく、先に特性や性質が近いもので集団を作り、後からそれらを分析する特徴があります。大量の販売データや顧客データ、アンケートなどから、データの特性や傾向を知ろうとする際に効果を発揮します。

例えば「サプリメントを利用していますか?」「お酒を週に2回以上飲みますか?」などの質問を複数用意したアンケートで集団を分類するケースです。一定の仮説を立てて情報を集めたあと、集団の特性や傾向を導き出します。サプリメントの利用や飲酒の頻度によって、健康志向かそうでないか、などに分類してクラスター分析を行います。ポイントは、事前に分類の基準を決めるのではなく、分類後にできたクラスターから分析するという点です。年代や性別などの属性に基づく一般的な分類とは異なり、集団の数や類似度合いをどのくらいにするか、といったことを自由に設定できるのが特徴です。

CRM分析を効果的に行うポイント

営業活動において有用性が高いCRM分析ですが、単に導入すれば業績が好転するというわけではありません。CRM分析を効果的に生かすためのポイントを解説します。

目的と課題を明確にする

CRM分析を導入する前に、まず自社が抱える課題や問題点を点検しましょう。例としては、「リピーターが増えない」「顧客が定着しない」「客単価が低い」「既存客との関係性が構築できていない」などが挙げられます。自社の業績を改善するには、これらの課題や問題点を解決するために、効果的なマーケティングの手法を検討することが目的として明確になります。リピーターが少なかったり顧客離れが多かったりする場合は、顧客の年代や性別などの属性、過去の商品購入履歴などを参考に、個別の顧客のニーズに合わせた質の高いサービスを提供することで、満足度を高めることが可能です。

客単価が低い場合も、既存顧客のデータから潜在的なニーズを拾い上げることで、新たな商品・サービスの開発やアップセルにつながるため、客単価を上げやすくなります。既存客との関係性が構築できない課題も、蓄積された顧客情報を基に年代や客層をリサーチすることで解決が図れるでしょう。過去の取引を見直し、顧客と日常的に接する社員の意見を調査した上で、現在の課題や問題が一覧で見えるようにリストアップすることです。これらの課題や問題点が明らかになれば、具体的な解決の目的が見えてきます。これにより最適なCRM分析手法を選択できるため、効率的でムダなコストを払わなくて済むようになるでしょう。

システム間の連携を行う

顧客に関するデータには、氏名・住所・年齢・職業などの個人を特定する「基礎情報」、過去に何をどこで、どんな決済方法で購入したのかなどの「購買履歴」、自社サイトにアクセスした顧客の「来訪ルート」、お客様センターでの「対応履歴」など、数値化できないテキストデータがあります。その他、在庫情報などの直接関係のなさそうなデータでも、顧客を基点にして考えると関連が見えてくることがあるでしょう。

顧客に適切なアプローチを行うためにCRM分析の精度を高めるには、これらの社内に蓄積している多様なデータを集め、加工し、統合するプロセスが必要です。それぞれのデータを管理している異なるシステムを、CRM分析のために連携することで、さまざまなメリットが得られます。CRMシステムにより一元管理できるため、社内に分散し、眠っていた情報を有効活用できます。データ連携によりCRMシステムにログインすれば、必要な情報へ即座にアクセスできる環境が得られるのです。また、複数のシステムの入力作業が不要になるため、業務効率化を図れます。

CRM分析では同時にERP(Enterprise Resource Planning)の導入も検討しましょう。これは、企業が保有する基幹情報や経営資源を統合管理する手法で、企業全体の情報を一元管理できるほか、部署ごとに導入することも可能です。ERPシステムの導入によってひとつのデータベースで情報を管理し、従業員全体で共有する体制の構築が実現します。

部署間を連携し情報を整理する

CRM分析を行う際、顧客情報の収集はまずそれぞれの部門ごとに実施されます。CRM分析手法のメリットを生かしたくても、対象となる顧客データがそろっていなければ、精度の高い分析結果を得られません。顧客の個人を特定する基礎情報や過去の購入履歴だけでは不十分です。顧客ニーズをつかむための嗜好や購買傾向なども分析する必要があるのです。

しかし、集められたデータが特定の部門や担当者にとどまっていた場合、その潜在的価値は限定的なものとなってしまいます。最大限活用するためには、社内で共有し、社員全員が利用できるようにしなくてはなりません。それぞれの部門や担当者による複数の視点から多角的に分析を行うことで、新たな発見が得られる可能性が高まります。自動的にデータを収集するCRMシステムを導入することで、情報の収集や蓄積を効率的に進められるだけでなく、社内共有もスムーズに行えるようになるでしょう。

自社に合うCRM分析手法とCRMツールを選ぶ

いくつもあるCRM分析の手法から、自社に合ったものを選択することがポイントです。また、単一の手法だけを採用するのではなく、複数を組み合わせることで、より高い効果が得られるしょう。前述した通り、それぞれの手法には強みと弱みがあるため、複数の手法を組み合わせることで、より多角的に分析が可能になり、高い精度の分析結果が得られやすくなります。ただし、さまざまな面からのデータ収集・分析をするにはどうしても時間がかかります。

その点において、CRMツールの導入は有効な手段です。データの収集・蓄積・分析をサポートし、結果が出た後のフォローアップまでできるため、CRM分析を効率的に行えます。CRMツールには多くの機能を持つタイプもありますが、機能が多ければ良いというわけではありません。多機能で複雑化したものは利用しづらくなるため、普段の業務で使用する社員の使い勝手を考慮する必要があります。また、「自社でCRM分析をどのように取り入れるのか」「目的は何か」といったことを明確にすることが重要です。顧客対応の強化やリピーターの増加、売り上げの強化など、目的が明確化することで、導入が必要な機能を選定できます。

顧客対応の強化やリピーターを増やすことが目的なら、顧客の個人情報から好み、特性、購入経路、購入方法、購入金額など、買い物パターンを細かく分析できるツールが求められます。売り上げの強化が目的なら、過去の顧客との対応履歴や購入した商品、金額、購入動機など、営業担当がセールスのアポを取る際に役立つサポート機能を備えたCRMツールが望ましいです。

顧客情報に特化した分析を行い、過去の商談状況や履歴などを営業部署内で共有できるように一元管理したCRMツールを導入することで、CRM分析を営業活動に生かすことが可能です。さらに他の部署のシステムと連携できる操作性も重要です。例えば営業部門の活動日報が、カスタマーサービス部門で管理する顧客情報として自動的に参照できるようにすると、顧客サービスをシームレスにつなげ、顧客対応力を高め、顧客の満足度を高めることにつながります。

まとめ

CRM分析は、既存顧客との良好関係を実現し、利益につなげるために実施します。正しい分析結果が得られれば、マーケティング戦略の立案や商品開発に役立つでしょう。CRM分析を実施する際は、始めに分析の目的を明確にしたうえで、複数の分析手法を組み合わせることが重要です。また、効率的に情報収集を行うためには、CRMツールの導入も有用です。

「ベルシステム24」は、最先端のクラウドテクノロジーを利用したコールセンターCRMソリューションです。コールセンターで得られた情報を安全、かつスマートに管理します。CRM基盤「BellCloud®」と連携することで、蓄積したデータを基にしたCRM分析も可能です。

コールセンター基盤、あるいはCRM基盤に興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
参照:https://www.bell24.co.jp/ja/solutions/index.html#CRMTechnology

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