音声ガイダンスとは?
ビジネスフォンでの主な種類と導入メリット・デメリットを解説

 2024.01.22  2024.04.24

電話業務は企業において重要な業務ですが、入電件数が多いなどの問題があると業務に支障が出るだけでなく、顧客満足度の低下を招くおそれがあります。このような問題の解決法として多くの企業で用いられているのが音声ガイダンスです。本記事ではビジネスフォンにおける音声ガイダンスの種類と音声ガイダンスのメリット・デメリットについて解説します。

音声ガイダンスとは? ビジネスフォンでの主な種類と導入メリット・デメリットを解説

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【ビジネスフォン】音声ガイダンス(自動音声案内)とは?

音声ガイダンスとは、着信の際に自動で流れる音声のことで、自動音声案内とも呼ばれます。オペレーターや従業員が電話に出るのではなく、事前に設定した音声を自動で流して発信者(顧客)に行動してもらうことで、電話業務の効率化が図れます。従来、このような音声ガイダンスは大企業で利用されることが多かったですが、近年、業務の効率化や顧客満足度などの観点から中小企業でも活用するところが増えています。

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音声ガイダンスの種類

オフィスや事務所などで使われるビジネスフォンの音声ガイダンスには主に3つの種類があります。それぞれの特徴を知り、自社に合った音声ガイダンスを導入しましょう。

着信お待たせメッセージ(お待たせ着信機能)

着信お待たせメッセージは、入電件数が多い、オペレーターの人数が少ないなどの理由から顧客の電話にすぐに出られないときに便利な音声ガイダンスです。具体的なガイダンス例として以下のようなものが挙げられます。

【例】
「ただいま電話が混み合っております。誠に恐れ入りますが、しばらくお待ちください。」
「ただいま電話が大変混み合っております。誠に恐れ入りますが、しばらくたってからおかけ直しください。」

このような内容を着信時に流すことで、顧客の不快感を軽減でき、ビジネスチャンスを逃す可能性を下げられます。

時間外アナウンス(留守番電話機能)

営業時間外にかかってきた電話に対して、営業時間外であることを知らせる機能です。イメージとしては家庭用電話機の留守電機能と似たようなものですが、ビジネスフォンではさまざまなメッセージを設定できます。たとえば、営業時間外の案内のほか、Webサイトへの誘導や年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇のお知らせといった内容にも変更可能です。

【例】
「お電話ありがとうございます。ただいまの時間は、営業時間外でございます。恐れ入りますが、平日午前9時から午後5時までの間に改めておかけ直しください。なお、Webサイトでのお問い合わせは24時間受け付けております。お電話ありがとうございました。」
「お電話ありがとうございます。○○〇〇(社名)でございます。申し訳ございませんが○月○日から○月〇日は、年末年始(またはゴールデンウィーク)につき、休業させていただいております。誠に恐れ入りますが、○月○日の午前9時以降に改めてお電話いただきますようお願いたします。」

このようなアナウンスを流すことで顧客に必要な情報を伝えられ、機会損失を防げます。

IVR(自動音声応答システム)

IVR(自動音声応答システム)とは、自動音声ガイダンスを流し、顧客に問い合わせ内容や目的に合った番号を入力してもらうことで、用件に合った部署に自動で電話を振り分けてくれる機能です。IVRは企業のコールセンターをはじめ、飲食店の来店予約受付や郵便物・宅配便の再配送受付などに使われています。

【例】
「音声案内に従って該当する番号を押してください。○○に関するお問い合わせは『1』を、○○の場合は『2』を、その他のお問い合わせは『3』を押してください。」

このようにプッシュ操作で最適な部署やオペレーターへ振り分けることで、効率よく業務が行え、顧客の待ち時間短縮にも役立ちます。

音声ガイダンスを導入する4つのメリット

音声ガイダンスを取り入れることは企業側、顧客側ともにメリットがあります。

1. 電話対応業務の効率化につながる

音声ガイダンスを取り入れることで電話の一次対応(一次受付)を音声ガイダンスに任せられるため、電話対応業務の効率化につながります。一次対応とは、社外からの電話を最初に取り、社名を名乗り、電話相手の名前や用件を聞いて質問に答える、担当部署につなぐ、伝言を預かる、などの電話対応のことです。特に電話対応業務を専門に行っている部署がない場合、音声ガイダンスを導入することで従業員が電話対応業務に時間や手間を取られずに済み、本来の業務に集中できます。

また、IVRならよくある問い合わせや簡単な質問であれば人を介さずに自動音声での対応が可能です。さらに電話を担当者の経験値や力量に合わせて振り分けられるため、業務負担の軽減にも貢献します。

2. 時間外・休日対応が可能になる

音声ガイダンスは、顧客への24時間365日対応を可能にします。通常、営業時間外は電話がつながらず対応ができない時間です。しかし、営業時間外のときに音声ガイダンスで営業時間を案内したり、Webサイトへ誘導したりすることで、顧客の不満を減らし、機会損失を防げます。

3. コスト削減につながる

音声ガイダンスを導入すれば、限られた人員もしくは無人で電話業務をこなせるので、人件費削減につながります。また、コールセンターは業務量が多く、クレーム対応によるストレスなどで、離職率が高い傾向にあります。しかし、音声ガイダンスを導入することでオペレーターの負担が減り、離職率が下がれば、採用や教育にかかるコストも抑えられます。

4. 顧客満足度の向上につながる

音声ガイダンスは、顧客側にとってもメリットがあります。音声ガイダンスがあることでスムーズに担当部署につながるので、待たされるストレスが少なく、顧客満足度の向上につながります。
さらに時間外アナウンス機能を導入すれば、営業時間外に電話をかけてきた顧客に対して、電話に応対できない理由や営業時間などの情報を提供できるため、顧客の利便性の向上にも貢献します。

音声ガイダンスの導入デメリット

多くのメリットがある音声ガイダンスですが、デメリットもあります。

導入コストがかかる

ビジネスフォンで音声ガイダンスを使うには既存システムの設定変更では対応できないため、新しいシステムの導入が必要です。特にIVRの場合、設定内容によって費用が大きく異なるため、導入コストに見合ったサービスかどうかを見極めることが重要です。

全てのビジネスフォンが対応しているわけではない

ビジネスフォンにはさまざまな機種がありますが、その中には音声ガイダンスに対応していないものもあります。そのため、まずは自社で使用しているビジネスフォンが音声ガイダンスに対応しているのか確認しましょう。

正確な情報を伝えられない場合がある

音声ガイダンスは顧客都合で設定を変えられないため、顧客が騒がしい環境から電話をかけているなど、発信者の利用状況によっては情報伝達がうまく行えず、必要な情報を正確に伝えられない場合があります。
また、顧客の用件に合う番号がない、自動音声の説明が長い、わかりにくいなど、設定によっては顧客に余計なストレスを与える可能性があります。そのため、音声ガイダンスの内容はできるだけ短く簡潔にし、複雑な内容がある場合には、オペレーターとすぐにつながるルートを用意しておきましょう。

まとめ

ビジネスフォンでの主な音声ガイダンスの種類は、着信お待たせメッセージ、時間外アナウンス、IVRの3つです。
これらをうまく取り入れることで、電話対応業務の効率化や営業時間外での顧客対応、顧客満足度の向上、コスト削減といったメリットが期待できます。ただし、発信者の利用状況によっては音声ガイダンスだと、正確に情報を伝えられないことがあります。また、音声ガイダンスは導入コストがかかり、全てのビジネスフォンが音声ガイダンスに対応可能なわけではありません。そのため、音声ガイダンスを導入する際は、自社のビジネスフォンを確認し、どのような音声ガイダンスを流すかを決めた上で予算に合ったものを選びましょう。

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