コンタクトセンター業務の効率化を目指し、クラウドPBXへのリプレースを検討している企業にとって、「AVAYA(アバイア)」はひとつの有力な選択肢です。複数拠点のPBXをAVAYAで統合すると、統一されたコミュニケーション環境が整備されるため、業務効率化が実現します。本記事ではAVAYAの概要と特徴、期待できるメリットを解説します。
「AVAYA(アバイア)」とは?
AVAYAは、コミュニケーションとコラボレーションの強化に役立つさまざまなツールを提供しています。長年コミュニケーション基盤を支えてきた企業として、業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上に貢献する多くのソリューションを展開しています。
世界的なネットワーク機器メーカー
AVAYAは、アメリカに本社を構える世界的なネットワーク機器メーカーです。日本法人として、日本アバイア株式会社の本社を東京都に設立しています。AVAYAの主力製品は「PBX(Private Branch Exchange)」です。日本語で「構内交換電話機」と呼ばれるPBXは、コンタクトセンターの要となる装置です。
PBXの主な役割として、複数の電話回線を収容し、コールの分配や使用する電話回線の効率化が挙げられます。例えば、外線番号と担当部署の電話番号をあらかじめ紐づけておけば、顧客からの着信が適切な部署へ自動転送され、スムーズな顧客対応が実現します。また、内線同士の通話やスマートフォンへ転送する機能を搭載する製品も多く、電話応対業務全般の効率化に有効です。
PBXの仕組みや種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
世界・日本国内のPBXシェアはトップクラス
AVAYAは、PBXの強力メーカーとして世界中から注目されています。世界的な航空会社や自動車会社での活用事例も多く、日本国内でもPBX市場でのシェアはトップクラスです。日本国内では、日本アバイア株式会社がリーディングカンパニーとして国内のコンタクトセンター市場を牽引しています。同社は、大規模なコンタクトセンター向けの基盤を強みとしています。
また、日本アバイアのパートナーとして知られているのが、1982年に日本国内で初めて本格的なコールセンターサービスをスタートさせた株式会社ベルシステム24です。同社は、日本アバイアのPBXを活用し、ボイスボット機能や音声認識システム等を搭載したクラウド型次世代コンタクトセンター基盤「BellCloud+®(ベルクラウドプラス)」を提供しています。
AVAYA (アバイア)の特徴
クラウド型PBXへのリプレースを成功させるには、自社のニーズとAVAYAの特徴を照らし合わせて検討する必要があります。近年では、大規模な投資を必要としないクラウド型のPBXに注目する企業が増えています。AVAYAが提供しているPBXの主な機能と特徴は以下のとおりです。
UC機能
AVAYAのPBXは、UC(Unified Communication:通信サービスが統合されていること)を搭載しています。UCとは、ビジネスで使用する電話や電子メール、Web会議等、複数のコミュニケーションチャネルをひとつに統合して管理する機能です。これにより、業務効率の向上や柔軟な働き方が実現します。
UC機能を用いると、連絡したい相手の在席状況を把握することが可能です。連絡待ちをはじめとしたコミュニケーションの無駄を削減すれば、業務スピードは自ずとアップします。また、社外から接続可能なクラウドツールを採用すれば、時間や距離を意識せずコミュニケーションをとれる環境が整備できます。コミュニケーションの円滑化は、出張にかかる時間やコスト削減に有用です。
クラウド対応
自社でセンターを構築・運用するオンプレミス型を導入するには、多額の費用がかかります。しかし、クラウド環境で稼働するPBXは、大規模な投資を必要としません。また、業務の規模に合わせて柔軟にセンターを拡大・縮小できるスケーラビリティ性や、常に最新のシステム環境を維持できる点も大きなメリットです。また、コンタクトセンターのシステムは、障害や災害が起きた際も安定して稼働することが求められます。クラウド型PBXの導入は、障害・災害対策としても非常に有効です。
AVAYA (アバイア)を選定するメリット
AVAYAのPBXは、コンタクトセンターにおけるマネジメントの効率化にも有効です。CMSとの連携により、業務状況やオペレーターの状態をリアルタイムに把握できるため、管理者はコールの処理状況に合わせてリソースを素早く調整できます。この他にも、セキュリティの強化をはじめ、多様なメリットが期待できます。
複数拠点のPBXを統合できる
オンプレミス環境で複数のコンタクトセンターを運用する際、「システムごとに操作方法や災害時の対応が異なる」「維持費がかかる」などの課題があります。一方、オンプレミス環境で運用・分散していたPBXをクラウドPBXに統合し、同一システムとして運用すれば、運用は大幅に効率化されます。システムの統合は、コスト削減やセキュリティ体制の強化、オペレーター教育の均一化などにつながる点も大きなメリットです。
CMSでリアルタイムな状態把握を行える
AVAYAのPBXにはCMS(統計管理機能)が搭載されています。標準レポート(テンプレ)を活用してデータを「見える化」し、業務状況やオペレーターの状態をリアルタイムにモニタリングできるのもメリットです。例えば、作業状況や通話時間を数値化することにより、各オペレーターが適切に稼働しているか客観的に判断することも可能です。
CMSはオペレーターの状態把握だけでなく、生産性向上やコストの削減にも貢献します。例えば、時間帯や曜日、月ごとの入電数を分析することにより、データに基づいた人員配置が可能になり、業務効率の向上が期待できます。
豊富なラインナップで最適な導入形態を選べる
AVAYAには、機能や料金体系の異なる複数の製品が用意されています。自社のニーズにあわせて最適な導入形態を選べる点もメリットです。AVAYAが提供する製品の主なラインナップは以下の通りです。
- クラウド型: Avaya OneCloud
- サブスクリプション型: Avaya OneCloud Subscription
- オンプレミス型・クラウド型:Avaya Spaces
カスタマイズ性に優れたAvaya Spacesは、オンプレミスとクラウド型を組み合わせたハイブリッド導入にも対応しています。各製品には、顧客からの受電をオペレーターのスキルにあわせて割り振る「ACD機能」、営業日・時間帯に応じたアナウンスを流す「ベクター機能」など、コンタクトセンター業務を効率化する多彩な機能が搭載されています。
まとめ
アメリカの大手ネットワーク機器メーカーであるAVAYA(アバイア)が提供するソリューションは、コンタクトセンター業務の効率化に大いに役立ちます。複数拠点のPBXをスムーズに統合できるだけでなく、オペレーターのリアルタイムな状況把握も可能で、マネジメントの効率向上に貢献します。従来のオンプレミス型に比べ、クラウド型は導入が容易で、初期投資を抑えたい企業に最適です。
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