コールセンターへのチャットボット導入が加速しています。その理由として、多くのコールセンターのオペレーターは限られているにもかかわらず日々大量の問い合わせ処理を行っています。これを効率化するために欠かせないのがチャットボットというわけです。
本記事では、コールセンターがチャットボットを活用するメリットや導入する際のポイントなどを整理してご紹介します。
チャットボットとは?
チャットボットとは、「会話(チャット)が可能なロボット(ボット)」のことで、ウェブサイト上やモバイルアプリケーションでユーザーの質問に回答する機能を有します。
例えば「商品の価格について知りたい」とチャットボットにメッセージを送信した場合、その文言からキーワードとなる部分を読み取って用意されていたメッセージを返答します。
関連記事:チャットボットを導入する理由とその効果やメリットについて解説
ビジネスにおけるチャットボットの活用シーン
現在、チャットボットの活用事例として最も多いのが、商品やサービスに関するFAQをまとめて参照できるものやウェブサイト上の情報を案内するものです。
そもそもウェブサイトの役割は「ユーザーが求めている情報を的確に提供する」ことですが、サイトの構成上それが難しいこともあります。
FAQについても複数のステップを踏まないと目的の情報を参照できないことが多いため、そんな時にチャットボットがあると「チャットスペースにメッセージを送信する」というワンステップで情報を参照でき、ユーザーの情報収集のサポートが行えます。
コールセンターにチャットボットを導入するべき8つのメリット
では、そうしたチャットボットをコールセンターに導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、コールセンター側(企業側)とユーザー側から見たメリットをそれぞれ説明します。
コールセンター側から見たメリット
まず、コールセンター側から見たメリットには次の5つが挙げられます。
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オペレーター業務負担の軽減
多くの企業はコールセンターの業務負担を軽減するためにチャットボットの導入を計画しています。チャットボットを導入することで電話というチャネル以外にも企業接点が増えることになるため呼減に貢献できることになります。
また、チャットボットはソフトウェアであるために最初の設計・設定後はチューニングは必要であるもののオペレーター業務に比べればコストの高いものではありません。
顧客対応の品質均一化
チャットボットを導入し、それが広く活用されるようになると応対品質の均一化につながります。チャットボットはあらゆるユーザーに対して的確に応答できることがメリットだと言えるでしょう。
顧客満足度の向上
チャットボットが顧客対応することでオペレーターの業務負担が軽減されます。そして、オペレーターはより重要な顧客へと意識を向けることが可能になるため満足度向上につながる可能性が高まります。
電話に比べて即応性の高いチャットボットは忙しい現代社会のニーズにマッチしていると言えるでしょう。
顧客接点の増加
チャットボットは単純にWebサイト上へ設置するだけでなくソーシャルとの連携など様々なチャネルへと展開することが可能になります。
現代社会において顧客は豊富なチャネルを駆使して日々の生活を送っています。そのことから企業と顧客の接点が保たれることは大きなメリットとなります。
誘導や商品説明のフォロー
ウェブサイトを閲覧した際に「何をお探しですか?」という文言とともに、チャットボットスペースを表示することでユーザーは目的の情報まで迷うことなく辿り着くことができます。
また、商品の操作説明やサポートの案内などその利用用途は多岐に渡ります。シーンを想定しながら最適な誘導を行うことで企業の目的に合致する誘導を行うことができるのもメリットといえるでしょう
ユーザー側から見たメリット
続いて、ユーザー側から見たメリットは以下の3つです。
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時間と場所を選ばずに問い合わせできる
コールセンターの多くは問い合わせ可能な日時が決まっており時間外の対応は稀です。しかしユーザー視点に立って考えると、時間外や電話等ができない場所から問い合わせしたいといったニーズは一定数存在します。
その際もチャットボットは24時間無休で応対できるため、ユーザーにとって都合の良いタイミングで問い合わせることができます。
電話待ちの時間やストレスが軽減される
コールセンターに問い合わせの電話をしても、問い合わせ件数が多い場合は何度もかけ直したり時には10分以上待機させられることもあります。
ユーザーにとってこれらはストレスなので、これを軽減することが重要です。チャットボットならば待ち時間は発生しませんし、瞬時に返答が返ってくるのでストレスを軽減できます。
テキストだけでコミュニケーションを完結できる
最近ではテキストベースのコミュニケーションに慣れ親しんだユーザーが多く、電話で会話するのは苦手という方も少なくありません。
そうした際もチャットボットではテキストだけでコミュニケーションが完結するため、現代人にとって敷居が低いだけでなくユーザーに負担を感じさせることがないこともメリットと言えます。
以上のメリットから、全てのコールセンターにとってチャットボットは今後さらに重要なツールとして普及していくと考えられています。
コールセンターのチャットボット導入で意識すべきポイント
コールセンターでのチャットボット導入が重要だからといって導入が必ず成功するわけではありません。チャットボートの歴史はまだ浅く、多くの失敗があることも事実です。
ではコールセンターでチャットボットを導入する際に意識すべきポイントとは何でしょうか?
ポイント1. チャットボット導入の目的を明瞭に
チャットボット導入の際は改めてその目的を明瞭にしましょう。「チャットボット導入の目的はコールセンター業務の効率化」と当たり前に考えるのではなく、実態をしっかりと把握しながら数値目標なども決めておきます。
ポイント2. KPIを設定してPDCAを継続的に回す
KPIとは「Key Performance Indicator/重要業績評価指標」のことで、チャットボットの効果測定を行うために用いる指標です。KPIがなければ現状および導入効果を知ることができず貢献がわかりません。KPIを設定し常に現状を把握しながらPDCAを回していきましょう。
関連記事:コンタクトセンターにおけるKPIの例と設定のポイントについて解説
ポイント3. 導入後のメンテナンス計画
チャットボットは、当初の設定が完全とは限りません。継続的なメンテナンスによって最適化することが重要です。
継続的にメンテナンス計画を立て、ユーザーのニーズを満たせるようなチャットボットを目指しましょう。
ポイント4. 活用実態に即したチャットボットツール
一口にチャットボットと言っても多様な種類があり、その中から活用実態に即したチャットボットツールを選ぶことが大切です。
現在では色々なタイプの製品が多様化しているため選定が難しいことは確かです。チャットボット導入の目的や要件を基準にしながら複数のツールを比較してみましょう。
関連記事:チャットボットの種類と市場動向
ポイント5. 導入パートナーとの協力体制
チャットボット導入に際し、導入パートナーとの協力体制がとても重要です。特にコールセンター など特殊な要件を満たすためには専門家の知識が必要になります。導入パートナーと協力してノウハウを吸収しながら実態に即した運用を目指しましょう。
まとめ
本記事では、コールセンターがチャットボットを活用するメリットや導入する際のポイントなどについて解説しました。
コールセンターにおけるチャットボットの重要性は今後も増していきます。多くの課題を抱えているコールセンターは、この機会にぜひチャットボットの導入をご検討ください。
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