コンタクトセンターは顧客接点の多様化にどう対応するのか?

 2020.07.03  2024.04.24

顧客接点の多様化にともない、コンタクトセンターにおける顧客対応がビジネス上の重要なポイントとなっています。マーケティングの観点からも、顧客接点に対する取り組みは必要不可欠です。この記事では、顧客接点の多様化において、コンタクトセンターがどのような対応をすべきか解説します。

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そもそも顧客接点(タッチポイント)とは?設けることの重要性について

「顧客接点」とは、どのような意味なのでしょうか。ここではまず、顧客接点の意味や重要性を説明します。

顧客接点の意味

顧客接点とは、企業と顧客との関わりのことです。「タッチポイント」と表現される場合もありますが、意味は同じです。顧客接点においては単に顧客と接するだけでなく、そこから顧客のニーズを把握したり、新たな契約につなげたりする必要があります。以前は、顧客接点をもつのは代理店や営業職が中心でした。しかし、近年は企業と顧客が関わりをもつ機会が増えており、顧客接点の多様化が顕著になっています。コンタクトセンターにおいて顧客接点が特に意識されるようになったのも、その流れによるものです。

顧客接点の重要性

顧客接点の多様化に注目し、対応を強化している企業が多くなっています。なぜなら、顧客接点に重きを置くことで、企業に対するイメージを高めたり売上を伸ばしたりできる可能性があるからです。顧客接点における対応を強化できれば、顧客のニーズもより正確に把握しやすくなります。ニーズに即した商品やサービスを増やすことができると、顧客からの評価は高まるでしょう。その結果、購入や契約にもつながりやすくなります。

顧客接点への対応は、マーケティングにおいて特に意識すべき項目です。顧客接点の多様化を攻略するには、課題を踏まえた適切な対策を講じなければなりません。

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多様化する顧客接点の課題

顧客接点を意識した戦略を立てるうえでは、多様化している状況に即した対応をする必要があります。ここでは、顧客接点が多様化している理由とともに、企業が意識すべき課題について確認しましょう。

顧客接点が多様化している理由

顧客接点が多様化している理由としては、顧客ニーズの変化に加え、チャネルの種類の増加があげられます。たとえば、単独世帯の増加により、個人で利用できる商品やサービスの需要が高くなっています。全世帯に対する単独世帯の割合は、2015年時点で約35%でした。試算によれば、その割合は2040年に40%に到達すると予想されています。

そのため、個々の嗜好やニーズに合った商品やサービスに対する需要は、今後ますます高まっていくでしょう。

また、インターネット通販の普及により、実店舗に行かずに買い物をするのも一般的になっています。しかし、インターネット通販では購入前に実物を確認できないといったデメリットもあるため、実店舗に対するニーズも考慮しつつ運営を両立させる必要があります。

さらに、WebサイトやSNSなどのチャネルの増加により、顧客接点が多様化している側面も見逃せません。以前はダイレクトメールや電話が一般的で、利用できるチャネルは限られていました。活用できるチャネルの種類の増加は、企業にとってチャンスでもあります。しかし、使いこなせないと効果はなかなか得られないため、きちんと戦略を練って活用することが求められます。

企業が解決すべき具体的な課題

顧客接点が多様化する中では、さまざまな課題を抱えている企業も多く存在します。複数の顧客接点に対応するには、その分の人員が必要です。しかし、現状では人的リソースが不足しており、コンタクトセンターでの対応が追いついていないケースもあります。仮にコンタクトセンターにある程度の人員を確保できても、KPIが明確でないために適切な対応ができていない場合もあるでしょう。

さらに、複数のチャネルを活用しているものの、一元化できていないために問題が生じている可能性もあります。たとえば、実店舗とECサイトの在庫状況が共有できていなかったり、SNS上での新商品に関する情報発信にタイムラグが発生していたりするケースが考えられるでしょう。このような課題を解決するには、顧客接点に関する業務の高度化が必要不可欠です

顧客接点の多様化にどう対応すべきか?

では、企業のコンタクトセンターは、顧客接点の多様化に対してどのように対応すべきでしょうか。ここからは、その具体的な対応方法について説明します。

業務効率化によってリソース不足を解消する

顧客接点の多様化に対応するには、コンタクトセンターのリソース不足の解消が必要不可欠です。リソースが不足していれば、多くの顧客接点を得られてもそれを活かしきれません。とはいえ、コンタクトセンターの人員をすぐに増やすのは難しい企業も多いでしょう。その場合、リソース不足を解消するには業務効率化が重要なカギとなります。具体的には、CRM(顧客管理)を一元化すると、業務を効率化しつつ顧客接点にも効果的なアプローチができるようになるでしょう。加えて、在庫管理も徹底すれば、購入を希望する顧客のニーズにもすぐに対応できます。また、よくある問い合わせに対してはFAQシステムや自動ガイダンスなどで対応できるようにすると、簡単な顧客対応はデジタル化できます。

リアルタイムで対応する

顧客接点の多様化の中では、顧客からの問い合わせにコンタクトセンターがリアルタイムで対応することも重要です。チャネルの増加により、顧客はより気軽に企業に連絡できるようになりました。顧客の購入意欲が最も高いのは、連絡をしたその瞬間です。よって、企業側の対応が遅くなればなるほど、顧客の購入意欲は減退してしまいます。場合によっては、企業に対する不満や不信感につながる恐れもあるでしょう。しかし、リアルタイムで対応すれば、顧客の購入意欲が高い状態のままスムーズに契約まで到達できます。素早い対応は、自社に対するイメージ向上にもつながるでしょう。

きめ細かな対応で顧客満足度を向上

さまざまな顧客接点を成果へつなげるには、顧客満足度の向上も意識する必要があります。たとえば、コンタクトセンターでの顧客接点についてデータを集め、顧客の行動履歴を分析するのもひとつの方法です。接点をもった顧客のうちどの程度が購入や契約にいたったのか把握できれば、より最適な対応ができるようになり、顧客満足度も向上させられます

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オムニチャネル戦略で多様な顧客との接点を強化

顧客接点の多様化においては、オムニチャネル戦略で総合的に対応するのが効果的です。「オムニ」とは「全部」という意味であり、オムニチャネルは顧客接点を一元化してスムーズに対応できるようにすることを表しています。コンタクトセンターの業務にオムニチャネル戦略を取り入れる場合、日々の顧客対応におけるデータを蓄積すれば、さまざまな形で有効活用できます。たとえば、新たに顧客から問い合わせが入ったとき、過去の顧客とのやり取りの記録やFAQに検索をかけ、似たような事例や回答などの情報を瞬時に見つけることなどが可能です。顧客を待たせることがないため、顧客満足度の維持向上にもつながるでしょう。

さらに、オムニチャネル戦略なら日々のあらゆる顧客対応のデータを集約し、分析することも可能です。その結果、顧客対応について改善すべき点が明らかになり、顧客接点をより強化できるでしょう。他部署と連携し、情報共有を徹底することも大切です。すでに導入している企業の事例を参考にしつつ、自社に適したオムニチャネル戦略を練りましょう。

まとめ

顧客接点の多様化にともない、コンタクトセンターによる適切な対応が重要になっています。そのためには、多様化における課題を意識しつつ、オムニチャネル戦略を取り入れると効果的です。コンタクトセンターが顧客接点の多様化に即した対応ができるよう、対策を始めましょう。

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