コンタクトセンター向けAIを比較11選!
機能別の選び方と導入メリットを解説

 

この記事でわかること
  • コンタクトセンター向けAIは「問い合わせ管理・回答支援」「通話AI・音声解析」「FAQ・ナレッジ自動生成」の3タイプに大別できる
  • 各タイプの代表ツール11選について、機能の特徴と向いている課題を整理して紹介する
  • 解決したい課題を起点に優先機能を絞り込むことが選定の第一歩となる
  • 既存システムとの連携性やセキュリティ要件の確認も欠かせない

コンタクトセンターへのAI導入を検討する際、多くの運営担当者が最初にぶつかるのが「ツールが多すぎて自社に合うものが分からない」という壁です。問い合わせの自動振り分け、通話の自動要約FAQの自動生成など、AIが担える業務は多岐にわたり、ツールによって得意な領域もそれぞれ異なります。本記事では機能タイプ別に代表ツール11選の特徴を整理し、自社の課題に合った選び方を解説します。

コンタクトセンター向けAIを比較11選!機能別の選び方と導入メリットを解説

デジタルチャネルCX調査 2024ー2025年版

コンタクトセンターが抱える課題とAI活用の現状

オペレーターの採用難や教育コストの高さ、離職率の高止まりは、コンタクトセンター業界全体に共通する構造的な課題です。人手不足が慢性化するなかで、限られた人員で応対品質を維持・向上させるには、業務の一部をAIに任せて効率化を図ることが不可欠になりつつあります。AIを取り入れれば、一次応対の自動化や通話後の入力作業の短縮が可能になり、オペレーターは付加価値の高い業務に集中できるようになります。たとえば、通話終了後に応対履歴を手入力する作業は1件あたり数分を要しますが、AIによる自動要約を利用すれば大幅に短縮でき、短縮できた時間を顧客への丁寧な応対に充てられるでしょう。その結果、オペレーターの業務負担が軽減されるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。AI導入の最大の目的は、人とAIの役割分担によってセンター全体の生産性と応対品質を同時に高めることにあります。
従来のAI活用は、チャットボットIVR(自動音声応答システム)による定型的な自動応答が中心でした。しかし、生成AIの登場によって状況は大きく変わりつつあります。通話録音(音声データ)や問い合わせログといった非構造化データを解析し、対話のリアルタイム要約やFAQの自動生成、回答案の自動作成といった高度な処理が実現しました。技術的なハードルが以前と比べて下がったことで、中小規模のセンターでもAI導入を現実的に検討できる土壌ができつつあります。クラウド型のサービスが充実し、初期投資を抑えながらスモールスタートできる製品も増えています。こうした背景から、AI導入は「先進的な取り組み」から「センター運営の標準装備」へと位置づけが移りつつあります。

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機能タイプ別で見るコンタクトセンター向けAIツール比較11選

ここからは、コンタクトセンター向けAIツールを「問い合わせ管理・回答支援」「通話AI・音声解析」「FAQ・ナレッジ自動生成」の3タイプに分類し、それぞれの代表的な製品を紹介します。各タイプで解決できる課題が異なるため、自社の優先課題と照らし合わせながら読み進めると、候補を絞り込みやすくなるでしょう。なお、各製品の料金や機能は2026年4月1日時点の情報のため、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

問い合わせ管理と回答支援に強いツール

複数チャネルからの問い合わせを一元管理し、AIが回答案の自動生成や担当者への自動振り分けを行う機能群です。「問い合わせ量が増えてもオペレーターの人数を増やしたくない」「チャネルを横断して応対状況を把握したい」「応対品質にばらつきがある」といった悩みを抱えるセンターにフィットします。電話だけでなくメールやチャット、SNSなど複数のチャネルを運用しているセンターでは、チャネルごとにツールが分かれていると情報が分散しやすいため、一元管理の重要性が特に高まります。以下、機能の網羅性が高い順に紹介します。

Zendesk(株式会社Zendesk)

世界10万社以上が利用するカスタマーサービスプラットフォームです。問い合わせ管理、FAQ、CTI連携機能、チャットボットを包括的に備えています。AIエージェントが電話・チャット・メールの一次応対を担い、問い合わせの自動解決を目指せる設計です。通話終了後はAIが自動で文字起こしと要約を行い、後処理の工数を削減できる利点もあります。複数チャネルをひとつの画面で統合管理できるため、チャネル数の多いセンターに向いています。料金はSuite Teamプランで1エージェントあたり月額55ドルから(年間契約時)。上位プランではAI機能が拡充されます。
(参照:https://www.zendesk.co.jp/service/
(参照:https://www.zendesk.co.jp/pricing/

Service Cloud(株式会社セールスフォース・ジャパン)

Salesforceが提供するカスタマーサービス向けプラットフォームです。電話、ビデオ、チャット、メール、SNSなど多チャネルをサポートし、AIが顧客とのやりとりをリアルタイムで分析して返信内容を自動生成します。既存のSalesforce CRMとシームレスに連携できるのが大きな強みで、顧客情報と応対履歴を一元管理しながら応対の質を高めたいセンターと相性がよい製品です。料金はStarter Suiteが月額3,000円(税抜)/ユーザーから。Enterprise以上のエディションでAI機能のアドオンを利用できます。
(参照:https://www.salesforce.com/jp/service/
(参照:https://www.salesforce.com/jp/service/pricing/

Re:lation(株式会社インゲージ)

メール、電話、チャット、SMS、LINEなど多様なチャネルからの問い合わせを一画面で一元管理するクラウドサービスです。AIが顧客とのやりとりを蓄積・データ化し、返信文案の自動生成やFAQ・チャットボットへの転用にも対応します。6,000社以上の導入実績があり、EC事業者やコンタクトセンター運営企業での利用が多い製品です。料金は要問い合わせ。
(参照:https://ingage.jp/relation/

KARAKURI assist(カラクリ株式会社)

生成AIを活用したメール回答支援に特化したオペレーター支援ツールです。作成した定型文をチーム全体で共有・引用できるようにすることで、スキルによらない均質な応対を実現します。問い合わせの自動要約や返信文の一部自動生成にも対応し、メール応対時間の短縮に直結する製品です。料金は要問い合わせ。
(参照:https://karakuri.ai/function/assist/

通話AIと音声解析に強いツール

電話応対の自動化や通話録音データの文字起こし・自動要約が中心となる領域です。「電話の一次受付を自動化したい」「通話後の入力作業に時間がかかる」「オペレーターの応対品質をデータで管理したい」というボトルネックを感じているセンターにとって有効な選択肢となります。電話チャネルが問い合わせの大半を占めるセンターでは、通話に関わる業務効率化のインパクトが特に大きくなるため、優先的に検討する価値があるでしょう。

ミライAI(株式会社ソフツー)

電話業務に特化したAI電話自動応答サービスです。AIが電話で問い合わせ内容を聞き取り、事前設定のFAQをもとに自動応答するシナリオ機能により、電話の一次受付を自動化できます。複数のAIオペレーターが同時に受電できるため顧客を待たせない設計です。通話の文字起こしと録音保存はオペレーター育成にも役立ちます。他のツールが「通話後の分析」を主軸にしているのに対し、ミライAIは「通話中の自動応答」に軸足を置いているのが特徴です。料金は要問い合わせ。
(参照:https://www.miraiai.jp/

AmiVoice Communication Suite(株式会社アドバンスト・メディア)

25年以上の音声認識研究開発の実績を持つアドバンスト・メディアが提供する、コンタクトセンター向け会話解析ソリューションです。独自開発の音声認識エンジン「AmiVoice」により通話をリアルタイムでテキスト化します。さらに生成AIによる要約やFAQ自動作成、顧客情報の自動抽出にも対応。通話中の感情変化をスコアリングし、ネガティブ感情の閾値超過時にSVへアラートを飛ばす機能を備えるなど、支援機能が充実しています。小規模窓口から大規模センターまで幅広い環境で利用されており、クラウド版・オンプレミス版の双方に対応しているのも強みです。料金は要問い合わせ。
(参照:https://www.advanced-media.co.jp/lp/communication-suite/

PKSHA Speech Insight(株式会社PKSHA Technology)

独自開発の音響・言語モデルによる高精度な音声書き起こしが特徴のシステムです。通話終了と同時にAIが要約案を自動生成するため、確認と微修正だけでCRMへの転記が完了し、ACW(After Call Work:通話後の後処理作業)の所要時間を約30%削減した実績を公表しています。SVが複数オペレーターの通話内容をリアルタイムで一覧確認できるモニタリング機能も備えており、品質管理に強みがあります。みずほ銀行、りそな銀行、JR東日本、住友不動産など大手企業への導入実績を持つ製品です。料金は要問い合わせ。
(参照:https://aisaas.pkshatech.com/speechinsight/

COTOHA Voice Insight(NTTコミュニケーションズ株式会社)

NTT研究所で長年培われた独自の音声認識エンジンをベースにした、コンタクトセンター向け音声解析サービスです。通話内容をリアルタイムでテキスト化するだけでなく、対話全体の感情推移を分析しつつ問い合わせ理由の自動分類にも対応するなど、応対品質の改善とオペレーター支援を両立できる設計となっています。企業ごとに固有名詞や業界用語を登録して精度を高められるのもメリットです。NTTグループならではの安定した運用体制と手厚いサポートが、安定稼働を重視する大規模センターに選ばれている理由となっています。料金は要問い合わせ。
(参照:https://www.ntt.com/business/services/voice/cotoha-voice-insight.html

FAQとナレッジの自動生成に強いツール

問い合わせログやマニュアルをもとにFAQを自動生成する領域にあたります。「FAQが古くなっていて利用されない」「ナレッジ整備に人手がかかりすぎる」「顧客の自己解決率を上げたい」という悩みを抱えるセンターに向いています。高品質なナレッジを整備することは、回答支援AIや音声解析AIの精度全体を底上げする効果もあるため、3タイプのなかでも基盤的な位置づけとなる点が見逃せません。

Helpfeel(株式会社Helpfeel)

独自の「意図予測検索」技術により、ユーザーが入力した曖昧な表現や言い回しの違いを吸収してFAQサイトの検索精度を高め、問い合わせ件数を削減する検索SaaSです。800サイト以上の導入実績を持ちます。問い合わせメールやチャット履歴を入力するだけでFAQのタイトルと本文を自動生成するAI作成支援機能を備えており、FAQ整備にかかる作業時間を50%削減した事例もあります。料金は要問い合わせ。
(参照:https://helpfeel.com/

Knowledge Maker(株式会社PKSHA Technology)

メール、チャットデータ、マニュアル、製品カタログなど多様なテキストデータからFAQを自動生成するサービスです。複数の機械学習モデルを組み合わせることで、文書の構造やテーマが異なるマニュアルにも柔軟に対応し、AIが「Q」と「A」に自動分類できます。カスタマーサービス部門だけでなく、社内ヘルプデスクや人事総務部門での利用事例も多い製品です。料金は要問い合わせ。
(参照:https://aisaas.pkshatech.com/knowledgemaker/

Hybrid Operation Loop(株式会社ベルシステム24)

ベルシステム24が開発したコンタクトセンター向け自動化ソリューションです。ナレッジ生成の世界標準「KCS(Knowledge-Centered Service)」に準拠した「Knowledge Generator」を搭載。この機能は、通話録音データから高精度なナレッジを生成します。AIと人によるハイブリッドな運用によってナレッジの陳腐化を防ぎながら、現場の最新のノウハウを常にナレッジベースに反映し続けられる仕組みといえます。蓄積される通話データを最大限ナレッジに転換したいセンターにとって、有力な選択肢となるでしょう。
(参照:https://gai.bell24.co.jp/ja/
(参照:https://www.bell24.co.jp/ja/news/bell24/20251113/

コンタクトセンターにおけるAIの選び方

ツールの機能を把握したうえで、自社に合った製品を選ぶための判断軸を整理します。コンタクトセンター向けAIは機能が多岐にわたるため、明確な選定基準を持たないまま比較を始めると、かえって判断に迷うケースが少なくありません。製品デモやトライアルの段階で「結局どれも良さそうに見える」という状態に陥らないためにも、以下の2つの視点を押さえておくことで選定時の軸がぶれにくくなります。

解決したい課題を起点に優先機能を絞り込む

AIツールの選定で最も重要なのは、「自社が解決したい課題は何か」を起点に考えることです。たとえば、「応対履歴の入力に時間がかかる」という問題であれば通話AI・音声解析系のツールが候補になります。「FAQが古くなっていて利用されない」ならナレッジ自動生成系、「問い合わせ応対品質にばらつきがある」なら回答支援系が優先候補となるでしょう。機能の豊富さだけで比較すると判断が難しくなりますが、課題を先に定めれば必要な機能が自ずと絞り込まれます。なお、前章で紹介した3タイプの分類をそのまま課題の整理軸として使うと、候補を効率よく絞り込めます。
テーマが複数ある場合は、重要度と緊急度で優先順位をつけ、AIが担う業務領域を段階的に拡大していくアプローチが効果的です。たとえば「ACWを20%短縮する」「エスカレーション件数を30%減らす」など、数値目標を先に設定しておくと、ツールの選定基準が明確になり、導入後の効果測定もスムーズに進みます。数値目標があれば、トライアル期間中に効果を検証しやすくなる点もメリットです。最初から全機能を一括で導入するよりも、まず最も効果が見込める領域から着手し、成果を確認しながら範囲を広げていく方がリスクを抑えられるでしょう。

既存システムとの連携性とデータ活用の範囲を確認する

コンタクトセンター向けAIは、単体で完結するものではありません。CRM、PBX、チャットツールといった既存システムとの連携が、導入効果を大きく左右します。API連携の可否やデータ形式の互換性、セキュリティ要件(個人情報の取り扱いやISO/SOC2認証の有無など)を事前に確認しておくことが不可欠です。連携の範囲が広いほど、AIが参照できるデータが増え、回答精度やナレッジの品質が向上します。
具体的には、CRMとの連携により顧客の過去の問い合わせ履歴や購入履歴をAIが参照できるようになれば、よりパーソナライズされた回答案の生成が期待できます。また、PBXとの連携によって通話データが自動的にAIに渡る仕組みを構築すれば、手動でのデータ連携作業が不要になり、運用負荷を大幅に軽減できるでしょう。導入後に「つないでみたらデータ形式が合わなかった」というトラブルを避けるためにも、選定段階で既存システムの構成図を整理し、ツール提供元と連携範囲や導入スケジュールを事前に協議しておくと安心です。

まとめ

コンタクトセンター向けAIツールは、「問い合わせ管理・回答支援」「通話AI・音声解析」「FAQ・ナレッジ自動生成」の3タイプに大別でき、それぞれ得意とする課題が異なります。問い合わせ量の増加やチャネルの多様化に悩むセンターには回答支援系が、通話後の入力作業の効率化を求めるセンターには音声解析系が、ナレッジの陳腐化や自己解決率の低さに課題を感じるセンターにはナレッジ自動生成系が、それぞれ有力な選択肢です。自社の課題を起点に優先機能を絞り込み、既存システムとの連携性を確認したうえで選定すること——これが導入成功の鍵となります。
なかでも注目したいのが、FAQ・ナレッジの自動生成領域です。この領域は、他のAI機能の精度を底上げする基盤としての役割を担っています。ベルシステム24のHybrid Operation Loopは、日常の通話データからKCS準拠のナレッジを自動生成・更新し続ける点で、既存ドキュメントベースの他ツールとは一線を画す製品です。11製品のなかでも特に、ナレッジ整備の課題を抱えるセンターにとって検討に値するソリューションといえるでしょう。さらに、ベルシステム24ではナレッジ活用の戦略設計から運用定着までを支援する「ナレッジCXデザインサービス」も提供しており、ツール導入後の効果最大化までを見据えた支援体制の厚さも見逃せないポイントです。
AI導入はゴールではなくスタートです。自社に合ったツールを選定し、段階的に活用範囲を広げながらセンター全体の業務品質向上につなげていきましょう。

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