コンタクトセンターにおける応対品質向上の方法を徹底解説

 2020.09.09  コンタクトセンターの森

顧客と企業をつなげる接点として、コンタクトセンターの応対品質向上がこれまで以上に重要視されています。一方で、そのための課題検討や解決に頭を悩ませている管理者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、コンタクトセンターの応対品質向上に取り組むにあたって、本来目指すべき品質管理の概要を詳しく紹介します。

コンタクトセンターにおける応対品質向上の方法を徹底解説

コンタクトセンターにおける「品質」とは

コンタクトセンターにおける品質とは、大きく分けて主に「運用品質」「接続品質」「応対品質」「処理品質」の4つに分類することができます。まずはそれぞれの意味についてご説明します。

まず「運用品質」とは、掲げられたミッションを達成するのに即した運用がきちんと行えているかを指します。「接続品質」とは、コンタクトセンターの繋がりやすさのことです。
「応対品質」とは、簡単に言うと顧客に満足してもらえる対応がどのくらいできているかを意味します。

最後の「処理品質」とは、顧客から受けたオーダーを、正しく処理できているかを指します。

品質を評価する2つの方法

コンタクトセンターの品質を維持・向上するためには、定期的な評価とそれに基づいた改善が欠かせません。コンタクトセンターの品質を評価する方法として、外部評価と内部評価の2種類があげられます。

まず外部評価とは、ITサポートサービスに関する世界最大のメンバーシップ団体「HDI-Japan(※1)」、世界中の様々な業界から50年以上「顧客の声」を収集・分析し続ける「J.D.Power(※2)」といった外部の専門業者に評価してもらう方法のことです。

(※1)参照元:https://www.hdi-japan.com/default.asp
(※2)参照元:http://japan.jdpower.com/ja

これら外部の専門機関による評価は、コストが大きくなることから、何度も使うのは現実的ではないでしょう。

また専門機関から一度認定を取得すれば一定期間は調査が不要となるため、外部評価より内部評価を重点的に行うようにします。内部評価とは、あらかじめ指標を定めた上でオペレーターの対応をモニタリングし、指標に沿った対応がどのくらい行えているかを自社でスコアリングする評価方法です。

実際にどのくらいの間隔・本数をモニタリングして評価するかは、コンタクトセンターのリソースによるので一概には言えません。

ただし、内部評価を重視するコンタクトセンターでは、専任の管理者を確保した上で、1ヵ月に数百本のモニタリングを実施しているようです。 

品質管理が重要な理由

企業がコンタクトセンターの品質管理を重視する理由として、優良顧客を増やして利益を拡大できることがあげられます。企業の窓口であるコンタクトセンターの対応によって、顧客の企業に対する評価が大きく変わるからです。

顧客はコンタクトセンターの応対によって、その会社の価値を評価します。言い換えると、コンタクトセンターの応対の品質次第では、問合せ顧客がその企業にとっての優良顧客になってくれるわけです。

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一般の顧客と比べて、優良顧客は一人当たりの売上が大きくなります。さらに優良顧客の中でも、より企業に対して強い愛着をもつ「ロイヤルカスタマー」が増えれば、自ら友人や家族などに自社商品やサービスを勧めてくれるというメリットもあります。
企業が売上を伸ばし安定的な経営をするためには、いかに優良顧客を増やすかが重要です。

コンタクトセンターの品質が重視される理由に、企業イメージを維持するためというものもあります。

仮にコンタクトセンターの品質が低くて、問合せしてきた顧客に不満を抱かせる結果になった場合、SNSなどによってネガティブな印象が拡散されることもあります。拡散の規模によっては、企業全体のイメージが著しく悪くなってしまう可能性も否定できません。

応対品質とは

応対品質とは簡単に言うと、コンタクトセンターが顧客に満足してもらえる対応を行えているかを指します。

具体的には、顧客からの問い合せを受けたり、コールセンターから顧客へ連絡したりする際に、相手に不快感を抱かせることなく、顧客が「本当に聞きたいこと」をきちんと把握した上で会話を進められているかを図る指標です。正しい言葉遣いや話し方、会話の進め方などによって左右されます。

また顧客に話す際の声のトーンは聞き取りやすいか、会話のスピードや間は適切であるかといった指標によっても評価されます。顧客対応そのものの品質を表すという点で、応対品質はコンタクトセンターにおける品質の中でもとくに重要です。

オペレーターの応対品質が改善することによって、顧客満足度の上昇が期待できます。顧客がオペレーターの対応に満足すれば、顧客から感謝される機会も多くなって社員のモチベーションの向上にもつながるでしょう。

応対品質の管理方法

応対品質の管理とは、オペレーターによる顧客対応をモニタリングして、その内容を評価しフィードバックするといった一連の対応を継続的に行うことにより、求められている応対品質の維持・向上を目指すことを指します。

コンタクトセンターとしての応対品質を向上させるためにも、定期的に行うことが推奨されます。つぎに、具体的な管理方法の種別を紹介します。

リアルタイムで応対中音声をモニタリング

まずあげられるのは、オペレーターが顧客対応している様子をリアルタイムでモニタリングする方法です。

オペレーターが顧客と会話している内容をリアルタイムで確認しながら、必要に応じてオペレーターへ指示を出しつつモニタリングを行います。ただし指示が多過ぎると、オペレーターが顧客との会話に集中しにくくなってしまい、ミスにつながるので注意しましょう。主に新人オペレーターを教育する際に適した手法です。

なおリアルタイムモニタリングには、管理者がオペレーターの側に座って、音声を聞きながら端末の操作手順をモニタリングするという方法もあります。

録音データのモニタリング

過去に録音した顧客対応の音声データをモニタリングする手法です。リアルタイムのモニタリングが新人教育を目的としているのに対し、録音データのモニタリングは応対品質の管理が主たる目的です。

モニタリングによってトークスクリプトはきちんと守られているか、顧客に良い印象を持たれているか、的を射た案内ができているか、知識力があるか等をチェックします。その結果をフィードバックし、今後の指導に役立てます。

応対品質向上につながるKPI設定

応対品質管理によって、その品質を向上させるためには、モニタリングの評価を客観的に把握するためのKPI(重要目標達成指標)が必要となります。

KPIを個人単位・組織単位で測定し、目標達成ができたかどうかで管理するわけです。なお、この場合のKPIは、オペレーター本人に対する評価はもちろんのこと、目標通りモニタリングやオペレーターへフィードバックがなされているかという視点も含まれます。

具体的には、以下にあげるようなKPIを設定します。

  • 合否ライン(合格点。全体および因子別。)
  • 実績評価点(全対象者の総合点 ÷ 全対象者数)
  • 合格点のオペレーター確保率(合格者数 ÷ 全対象者数)
  • 期限内のモニタリング実施率(実施数 ÷ 計画対象者数)
  • 期限内のフィードバック実施率(実施数 ÷ 計画対象者数)
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応対品質向上を支えるテクノロジー

顧客を獲得するという最終目標の実現はオペレーターの手腕によるとは言え、実力を発揮してもらうためには、コンタクトセンターのシステムによってオペレーターをサポートすることが大切です。そのためのテクノロジーとして、レポート機能やAIを用いた要約機能があげられます。

レポート機能

レポート機能とは、発信数・アポ獲得数・通話数・通話時間、架電履歴とその結果などを自動的に記録する機能です。
レポート機能がない場合、オペレーターは自分で発信数などを記録しなければならず、顧客対応以外の仕事に時間を取られてしまいます。

要約機能

要約機能とは、顧客対応の内容をAIなどによる音声認識機能によってテキスト化し、その要約を作成する機能です。本来、顧客対応の内容はオペレーター自身で文章にまとめシステムに投入していましたが、要約機能はその役割を肩代わりしてくれます。

AIが作成した要約は、あらかじめ定められたルールに従って作成され、その精度も高いため、オペレーターは微修正を加えるだけでシステム投入することが可能です。AIによる要約は、学習を継続すればその精度はさらに上昇します。

レポート機能・要約機能がオペレーターの品質を底上げする

レポート機能・要約機能によって、オペレーターの負担を減らせば、顧客との対応に集中できるため、応対品質の向上を目指すことが可能です。

さらにオペレーターが後処理にかける時間が減るため、顧客の待ち時間を圧縮することもできるでしょう。また、これらのテクノロジーによって、従来は取りこぼしていた顧客ニーズ把握によるサービス改善を実現できるというメリットもあります。

まとめ

コンタクトセンターの応対品質管理は、優良顧客の獲得や企業評価を維持・向上するために必要不可欠です。外部・内部の双方向からモニタリングなどを行いつつ、品質向上を目指してAIの活用などもご検討ください。応対品質の向上は、ビジネスの成果向上に繋がる有効な手段です。ぜひ実践してはいかがでしょうか。

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