多様化するコンタクトセンター業務を効率化する

 2024.12.27 2021.12.17

コンタクトセンター業務を効率化するためには何が必要なのか?

近年では、コンタクトセンターから顧客満足度向上を目指す企業が増えており、「プロフィットセンター(収益とコストが集計される部門)」としての変貌を遂げています。しかしながらコンタクトセンターでの業務効率化が進まない以上、コストセンターから脱却することは難しいでしょう。

本稿では、多様化するコンタクトセンター業務を効率化するための方法や代表的なシステムについてご紹介します。

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コンタクトセンター業務効率化のポイント

まずは、コンタクトセンターにおける業務効率化のポイントについて整理したいと思います。

現状把握から始める

コンタクトセンター業務に限った話ではありませんが、効率化のポイントはまず「現状把握」です。外部コンサルタントなどのサービスを利用する場合は、「アセスメント(現状評価)」と言ったフェーズがそれに該当します。

業務効率化とはいわば1つ1つの課題を解決していくことなので、どういった課題があるのかをまず把握しなければいけません。そのためには業務の棚卸しを行い、各情報がどこに管理されているのかを正しく把握することが必要になります。各スタッフの業務量や稼働状況についても可視化しておくことが大切です。

正しい目標を設定する

次に正しい目標を設定します。その際は目的やゴールを達成するために必要な活動に対して「KPI(Key Performance Indicator)」を設定することです。

KPIとは取り組みが上手く進んでいるかどうかを判断するための指標の一つです。たとえばアポイントを1件取るために100回のコールが必要ならば、1日3件のアポイントを取るためのKPIは「1日300件のコール」ということになります。KPIは明確な数値を期間で設定することが大切であり、最終的なゴールに向けて複数のKPIを設定することで効率良く取り組みの進捗を管理できます。コールセンター全体としてのKPI、部門としてのKPI、コンタクト担当者としてのKPIなど段階的に設定することで役割と効果を適切に判断することが可能となります。

PDCAをまわす

現状把握と正しい目標を設定したら、継続的にPDCAサイクルを回していきます。これは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」を1つのプロセスとして、業務改善を加えていくというマネジメント手法です。大切なのは改善の際に、施策を評価するための指標を用意しておくことです。KPIが正しく設定されていれば問題はないでしょう。施策を評価したら必要に応じて改善を加えて、継続的な業務効率化を目指します。

最適なシステムを導入する

顧客のニーズや顧客とのタッチポイントが多様化した現代において、コンタクトセンターをサポートするための運用システムは欠かせません。ただしコンタクトセンターごとに目的やゴールが違うので、正しい運用システムを導入することが大切です。最近ではAI(人工知能)を取り入れた運用システムが増えています。AIにはコンタクトセンターの業務効率を高めるというメリットの他、若手世代が人とのコミュニケーションを避ける傾向にあるため、AIが対応することで創出できる機会も多くなってきています。

ベストプラクティスを蓄積する

ベストプラクティスとは「成功の集合体」です。つまりコンタクトセンター内でお客様対応によって顧客満足度を向上した事例を整理して、そこからベストプラクティスを導き出すことでセンター全体のスキルアップに繋げます。

これらのポイントはあくまで基本的なものですが、しっかりと実施することでコンタクトセンター業務の効率化は大幅に進むはずです。

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コンタクトセンター業務を効率化する代表的なシステム

コンタクトセンター業務に欠かせないのがITシステムです。顧客から日々寄せられる問い合わせを効率良く管理し、必要な情報を蓄積していくためにはシステムの存在が欠かせません。代表的なツールとして次のような製品があります。

顧客情報管理(CRM)ソリューション

顧客の要望やニーズが多様化する中で、最も重要な役割として顧客一人ひとりに適切な対応を取ることが挙げられます。そのためには、顧客に関する詳細な記録や属性情報を一元的に管理する必要があります。そこで求められるのが顧客情報管理(CRM)システムです。

単に、氏名や住所に留まらず、利用しているサービスや製品の情報、過去の対応履歴、さらにはアクセス経路、Webサイトの訪問記録など、様々な情報が顧客向けにサービスの品質向上に役立ちます。

必要に応じて、各種社内システムともデータ連携を図り、情報を一元的に管理することで、コンタクトセンターで活用することができます。

統合されたCRMソリューションを活用することで、業務高度化や効率化ばかりでなく、多様化するチャネル(オムニチャネル)への対応や、顧客自身の自己解決を促進するセルフサポート型のサービス提供なども実現可能となります。

統合型CRMソリューションにご興味のある方は、「CRMソリューション」のページをご参照ください。

 

音声認識・分析ソリューション

顧客対応の品質向上は、コンタクトセンターが担う最も重要なKPIの一つです。しかしながら、顧客ニーズが多様化する中、1つ1つの顧客対応の品質を高めることは非常に困難です。

そこで、重要視されるのが顧客対応のデジタル化です。

お客様との対話音声をテキスト化して蓄積することで、リアルタイムマネジメントの改善や、生産性向上、品質管理強化など、センターの基本的な課題を解決し顧客対応の品質を向上することが可能となります。

また、テキスト化が進むことにより、テキストマイニングツールや自動要約機能の活用やFAQの自動表示など、サービスを向上させる各種ツールと連携することも可能となります。

音声認識・分析ソリューションは各種機能やツールを複合的に組み合わせることで、企業に最適なシステム環境を構築することができます。そのためには、段階的に機能を拡充するアジャイル手法が最も効率的なアプローチとなります。

音声認識システムや、テキストマイニングシステムの導入にご興味のある方は、「音声認識・分析ソリューション」のページをご参照ください。

まとめ

これらのツールやシステムを導入することで、コンタクトセンターでは情報管理が促進し業務の効率化や顧客向けサービスの品質向上に繋げることができます。

しかしながら、顧客のニーズや業務要件の変化は多様化を続け、ITサービスのテクノロジーも日進月歩の進化を遂げています。

そのため、今後構築するシステム環境は柔軟性と拡張性を兼ね備えていることが求めれ、変化にも迅速に対応する必要があります。

ベルシステム24では、30年以上にわたりコールセンター業界のリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウを集積させたプラットフォーム「BellCloud+®(ベルクラウドプラス)」を提供しています。

高い信頼性とコスト低減を両立させ、先進テクノロジーの採用を進めながら柔軟な運用を実現する「次世代コンタクトセンター」です。

プロフィット化が進むコンタクトセンターの業務を効率化し、多様化するニーズに対応することで顧客満足度の向上を目指すため、企業に求められる最適なコンタクトセンターの構築をご支援します。

この記事の推奨者

衣笠 雄海
衣笠 雄海
2008年入社。業種業界問わず、様々なコンタクトセンター管理経験を積み、2017年にコンサルティング部へ異動。コンタクトセンターの戦略策定、業務改善コンサルティングを主にプロジェクトを 推進。直近では、昨今の生成AIの流れを汲み、社内のナレッジマネジメントサービスをリブランディング。センターの更なるCX向上実現に向けた支援に取り組んでいる。
【所有資格】
KCSP国際認定資格
生成AI活用で コンタクトセンターの定番業務の自動化はできるのか?

株式会社ベルシステム24

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