コンタクトセンターにおける顧客満足度向上のポイントを紹介

 2020.06.29  2024.01.17

顧客満足度を向上させる手段の一つに、コンタクトセンターがあります。コンタクトセンターは、電話を始め、メールやチャットなど様々なチャネルを通して顧客と企業をつなぐ窓口です。この記事では、コンタクトセンターにおいて顧客満足度を向上させるポイントをご紹介します。

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コンタクトセンターにおいて顧客満足度を上げる重要性

コンタクトセンターは顧客と直接コミュニケーションを取ることができる数少ない場の1つです。コンタクトセンターのスタッフは企業の顔となるため、企業イメージを左右する大切な役割を持ちます。顧客が抱える問題に寄り添い、顧客の期待値を超えたサービスを提供することは、満足度の向上や企業イメージのアップに直結します。顧客満足度を獲得すると、LTVも上昇します。LTVとは、Life Time Value(顧客生涯価値)の略で、1人の顧客が自社にどれだけの利益を生み出してくれるかという指標の1つです。これらの理由から、企業におけるコンタクトセンターの重要性は高いと言えます。

コンタクトセンターにおける顧客満足度向上のポイント

コンタクトセンターの対応は、電話やメールなどのコンタクトセンターの「人によるサポート」、チャットボットやFAQなどの顧客の「自己解決型サポート」があります。以下では、主に「人によるサポート」である、電話対応で満足度を向上するためのポイントを紹介します。

ポイント

  • 待ち時間を短くする
  • 説明の仕方を工夫する
  • 問題解決の早さを上げる
  • たらいまわしを避ける
  • オペレーターの教育を重視する
  • オペレーターを適切な指標で評価する
  • 対応体制を整える
  • 顧客の声を収集する
  • 情報検索しやすい環境を整備する
  • システムを導入する

待ち時間を短くする

顧客が電話でコンタクトを取る際、最もストレスに感じるのが待ち時間の長さです。この問題を解決する近道は、リソースの最適化です。以下のようなポイントが改善例です。

IVR(自動音声応答)を見直す

顧客が電話をかけたとき、最初に音声ガイダンスが流れることがほとんどです。用件に応じて音声メニューを選択した後、オペレーターに繋がる流れとなります。このシステムをIVRといいますが、多くの顧客は、音声メニューが長いことに不満を持っています。この問題を解消するためには、分岐の数を減らしたり案内の文言を分かりやすくしたりすることが有効です

コールバック予約システムを採用する

顧客があらかじめ時間指定をして、コンタクトセンターから電話をかける仕組みをコールバック予約システムといいます。この方法を採用すれば、顧客は自動音声を長々と聞く必要が無くなるため、ストレスの軽減に大きく寄与します

説明の仕方を工夫する

顧客の問題を解決するためには、分かりやすい説明をする必要があります。顧客に応じて、回りくどくならない程度に順を追って説明するべきか、ダイレクトに回答するべきかを判断することが大切です。顧客が自社の商品やサービスをどれくらい知っているのかを感じ取れると良いでしょう。忘れがちですが、適宜顧客が説明を理解しているか確認しながら進めていくとベターです。分かりやすい説明ができれば、通話時間が短くなり次の顧客の待ち時間短縮にも繋がります。

問題解決の早さを上げる

問題解決は早いに越したことはありません。そのために、オペレーターは顧客の問題をいち早く特定する必要があります。用件を特定しないまま案内を進めてしまうと、顧客はいつまで経っても求めている答えが得られず、苛立ちが募ってしまいます。なるべく早い段階で「今回はどういったご用件でしょうか?」と質問をするなどして用件を早めに特定させましょう。また、用件に応じて一覧できる整然としたマニュアルを作成することも重要です。マニュアルが分かりやすければ通話を保留にする必要も無くなり、無駄な通話時間が減ります。新たに打ち出されたキャンペーンなど問い合わせが多くなりそうな用件は、TOPIXなどにしてまとめておくと良いでしょう。

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たらいまわしを避ける

顧客の抱える問題は、必ずしも一本の通話で解決できるとは限りません。しかし、たらい回しにされたり何度も掛け直しが必要になってしまったりすると、顧客は面倒に感じて自社の商品やサービスの利用を諦めてしまうかもしれません。オペレーターのスキルを向上させてできるだけ1人で対応することが大切ですが、難しい場合は早めに適切なオペレーターに繋げることが大切です。用件によっては、他社に問い合わせをしてもらうこともあるかもしれません。顧客は少々面倒に感じるかもしれませんが、なぜ自社で回答できないのか納得感のある説明をすればストレスが軽減されるでしょう。

オペレーターの教育を重視する

オペレーターのスキルを向上するためには、教育が大切です。質の高いオペレーターに育てるための重要なポイントを以下に挙げます。

自社の商品やサービスを理解する

当然のことですが、まず自社の商品やサービスをオペレーターが理解していることが大前提です。一言でかみ砕いて説明ができると、時間が無い顧客にとっては良いでしょう。

オペレーターの意識レベルを向上させる

一企業の代表としての自覚を持ち、顧客の利益を最優先する意識を高めることが大切です。顧客に寄り添ったマインドを持たせることがコンタクトセンターの品質を向上させます。

自立したオペレーターに育てる

顧客の話し方や理解レベルは十人十色です。いかなる問題に直面しても常に柔軟な対応が求められます。ロールプレイングなどで課題を出して、自分で解決策を考えることも訓練の1つになるでしょう。経験を積めば、クレーム処理やイレギュラー対応などがしっかりと行えるオペレーターに育ちます

言葉遣い

基本的なことですが、尊敬語・謙譲語・丁寧語を始め正しい言葉を話すことが大切です。また声のトーンや速さに気を付けることで、顧客が感じ取る印象も大きく変わってきます。

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オペレーターを適切な指標で評価する

教育だけでなく、オペレーターを適切に評価することも重要です。評価が高いオペレーターが明確になれば、目指すべき目標ができてオペレーター自身のモチベーションにもなります。コンタクトセンター全体の代表的な指標に「応答率」があります。これは、コンタクトセンターにかかってきた通話のうち、何本応答できたかを示す指標です。個人ベースの目標は、AHT(1件あたりの平均処理時間)やCPH(1時間当たりの対応件数)などがあります。こういった量的な評価は非常に大切な指標ですが、本来は顧客の満足度を高めることが目的です。これら量的な評価に加え、顧客が満足してくれたか、対応は十分であったかなど質的な評価も組み合わせることが大切です。実際に録音された音声を聞きながら、あらかじめ用意したチェック項目を元に評価していくと良いでしょう。

対応体制を整える

コンタクトセンターは、オペレーターの他にチームオペレーターを管理するSV(スーパーバイザー)や入力業務をするバッグオフィス担当など、複数の役割があります。1つでも欠けてしまうと全体として機能しなくなってしまうこともあるため、適切な配置を行うなどして対応体制を整える必要があります。特に、平日の出勤前後やお昼の時間帯はコンタクトセンターへの入電が急増する傾向があるため、その時間帯は手薄にならないようにシフトを検討することが大切です。

顧客の声を収集する

前述のように、コンタクトセンターは顧客と直接対峙する場です。同時に、顧客からの貴重な意見を収集することができる数少ない場でもあります。会社の商品やサービスを向上するために、可能な限り意見や要望を聴くこともコンタクトセンターの存在意義です。自社の課題を見つけるために、顧客から「こうだったらいいのに」といった改善点を聴取することが大切です。聴取した意見や要望は、コンタクトセンター内はもちろん、他部署、会社全体にも伝え、自社の改善を図りましょう。

情報検索しやすい環境を整備する

顧客の質問を想定してあらかじめ作成される問答集(FAQ)を自社のサイト上に表示させることも、大事なコミュニケーションの内の1つです。顧客の中には、電話で問い合わせをする時間が取れない・面倒だという人もいます。そんな人たちがFAQを読んで理解をすれば、電話で問い合わせることなく問題を解決できます。これは、オペレーターにとっても想定質問を予習できるメリットになります。必要な情報を分かりやすい場所に置くことも、顧客との関係性構築のために重要な役割を担っています

システムを導入する

顧客との良好な関係性を築くために、CRMを導入することも有効です。CRMとは、顧客の属性や接触履歴を記録・管理し、それぞれの顧客に応じた対応を行い、顧客満足度の向上や取引関係の継続に繋げる取り組みのことです。これを利用する目的は顧客のLTV最大化が挙げられますが、蓄積されたデータを分析することによって、新たなニーズの発見や既存顧客のロイヤリティ向上など様々なアプローチが可能になります。

もっと読む:「CRMとは」について調べてみよう!

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企業と顧客が直接コミュニケーションをとるコンタクトセンター。多様化する連絡手段や顧客の価値観の変化から重要性が増しています。こちらでは、コンタクトセンターの概要や必要な機能、コールセンターとの違いなどについて紹介します。

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まとめ

コンタクトセンターで顧客満足度を向上させるポイントを紹介しました。顧客によって不満を感じるポイントは異なるため、気を付けるべきポイントはたくさんあります。これらのポイントを意識して改善し、コンタクトセンターとしての意義を最大限に発揮させられるようにしましょう。

この記事の推奨者

久保 睦
久保 睦
2001年に入社後、通信、金融、通販、メーカー、サービス業のコンタクトセンターを中心に50社以上のコンサルティング、立上げ支援、ソリューション導入企画・設計・構築、アドバイザーを担当。現在は、企業の付加価値向上、CX向上、DX実現に向けたコンタクトセンター活用のプランニングなどビジネスコンサルティングを中心にプロジェクト管理、統括責任者として多数の実績あり。
Salesforce 認定アドミニストレーター
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