高まるCRMシステムの重要性とは?
コンタクトセンターに与える3つの価値(前編)
2025.05.19 2025.06.18 早見 拓也 氏
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2025.05.19 2025.06.18 早見 拓也 氏
CRMシステムの重要性は、大別すると3つの視点から整理することができます。
本記事では、3つの視点それぞれに影響する要素を整理し、詳しく掘り下げて解説します。前編は「エンドユーザー視点、顧客体験(CX)価値の最大化」についてまとめます。
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CRMシステムは、顧客の全体像を把握し、一貫したサービスを提供可能にする環境の礎となります。顧客の期待に応える高度なサービス連携やチャネル提供が可能となり、顧客体験(エクスペリエンス・CX)の向上に大きく寄与します。
顧客体験の向上は、顧客満足度やサービス継続に直結し、競合他社との差別化を図り不確実性の高いビジネス環境においても企業の成長や事業の強靭性を支える原動力となります。
CRMシステムは、顧客の問題解決を迅速に行うためのツールとして機能します。顧客の問い合わせ履歴や過去の解決データを参照することで、同様の問題に対する迅速かつ効果的な対応が可能です。また、CRMシステムに解決のためのナレッジやFAQが統合されている場合では、サポート提供者の情報提供の質を高め、結果として顧客の待ち時間短縮や、問題解決のスピードにも寄与します。迅速な問題解決は、何よりも顧客満足度向上に直結します。
CRMシステムを活用は、顧客ごとに個客化(パーソナライズ)されたサービス提供も可能にします。顧客の過去行動、購入履歴、嗜好を基にした製品・サービス提案やサポートを行うことで、顧客満足度を高めます。パーソナライズされた対応は、顧客の企業に対する忠誠心(ロイヤルティ)を高め、長期的な関係構築(エンゲージメント)に寄与します。
前述のように、CRMシステムは顧客との関係を深める礎となり、ロイヤルティ向上と顧客エンゲージメント向上を実現する強力なツール足り得ます。顧客嗜好や購買履歴に基づくパーソナライズは、顧客は自分が大切にされていると感じ、再度同じ企業を利用しようという気持ちが強まります。
例えば、各々の顧客状況に応じた最適なサポート提供だけでなく、顧客の記念日に特別なメッセージを送る、定期的なフォローアップや顧客にマッチした特別なオファーを送る等、顧客が企業との関わりを持つすべての瞬間を大切に感じられる体験を通じて、企業と顧客の関係が強固になり、企業にとっても競合他社との差別化を実現し、中長期的な収益向上に貢献します。
CRMシステムの活用は、顧客の期待を管理し、適切に応える基礎になります。問い合わせ内容や過去の対応履歴を把握は、顧客が次に何を期待するかを理解する上で欠かせません。また、CRMシステムを利用して、顧客に対するコミュニケーションを一貫して行うことで、顧客の期待を正確に管理し、過剰な期待を避けることができます。期待管理を適切に行うことで、より高度な信頼関係を築くことができます。
CRMシステムは、プロアクティブな顧客サービスを提供するためのツールとしても効果的です。顧客の行動データや履歴を分析することで、潜在的な問題やニーズを予測し、事前の対応に反映できます。
例えば、特定製品の使用状況をモニタリングし、問題発生の前にメンテナンスやサポートを提供することで、顧客満足度を著しく高めることも可能です。また、新製品やサービスの提供に際して、顧客の関心を引くプロアクティブなアプローチを行うことで、販売機会を拡大することもできるでしょう。
CRMシステムは、顧客のライフサイクルを総合的に管理するためのツールとしても機能します。顧客が初めてコンタクトセンターに問い合わせを行った時点から、購入、アフターサービス、そして再購入に至るまで、すべての顧客接点を追跡し、管理することができます。
例えば、購入後のフォローアップや定期的なプロモーションの提供など、各ステージでの顧客ニーズに対応した適切なサービス提供することも可能です。顧客が企業との関係を継続的に維持できるような仕組みを構築することができます。
CRMシステムの活用によって、顧客の体験の流れ(ジャーニー)のマッピングを支援し、顧客が企業との関わりを持つすべてのタッチポイントの可視化にも貢献できます。顧客がどのような経緯で購入に至ったのか、またはどのステージで離脱したのかを明確に把握することができるでしょう。顧客ジャーニーの理解は、カスタマーサービスのみならずマーケティングやビジネス戦略の改善に役立ちます。顧客ジャーニーマッピングは、これからの顧客体験の最適化に不可欠です。
CRMシステムは、電話、メール、チャット、SNSなど、コミュニケーションチャネルの統合に貢献します。顧客とのすべてのインタラクションを一元管理し、一貫性のあるサービスを提供することが可能になることは、マルチチャネルやオムニチャネル時代におけるサポートやサービス提供には欠かせません。管理の統合と一元化は、顧客体験の向上に大きく寄与します。過去のやり取り履歴がすべてシステムに記録され一元で把握できることで、スムーズなチャネル間の移行や対応が可能となります。
CRMシステムは、カスタマーサポートのパーソナライゼーションも可能にします。顧客の過去の問い合わせや購入の履歴参照、個別のニーズや嗜好に応じたサポート提供を可能にし、より快適な顧客体験に大きく貢献するでしょう。例えば、ある特定の問題を過去に抱えていた顧客に対しては、その問題に特化したサポートや情報提供を促すことで、より迅速かつエフォートレスな問題解決が可能となるでしょう。パーソナライズされたサポートは、顧客の円滑なジャーニーを通じて、顧客ロイヤルティとエンゲージメントにも大変影響します。
CRMシステムを活用することで、顧客向けのコンテンツパーソナライゼーションも強化することができます。顧客の興味や行動履歴に基づいて、最適なコンテンツを提供することで、エンゲージメントを高めることが可能です。例えば、特定の製品に関心を示している顧客には、その製品に関連するブログ記事やホワイトペーパーを提供することで、購買意欲を喚起したり、メールマーケティング等では、顧客のプロファイルに基づいたメッセージや情報を送ることで、開封率やクリック率を向上させ、企業に対する興味喚起に貢献することができるでしょう。情報過多の時代にあってコンテンツのパーソナライゼーションは“ゴミ箱行き”を回避する最良の手段と言えるでしょう。
前編では顧客視点、サービスやサポート提供を受けるエンドユーザー視点におけるCRMシステムの価値を極力抜け漏れなくまとめることを主眼におきましたが、ご覧いただいたようにCRMシステムが顧客体験に与える影響やバリューは、近年高まる一方です。
テクマトリックス株式会社では、国産CRMシステム提供ベンダーとして30年余りのCRMシステム提供実績から見えた豊富な経験を元に、WEBでも情報提供を行っています。
近年はボイスボット、チャットボット、生成AIなどデジタルコミュニケーション全般にもソリューション領域を拡張し、システム提供をしていますが、CRMシステムの利活用最大化を目指す具体例やケース、情報をキャッチされたい際は、あわせてコチラもご覧いただければ幸いです。
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